疾患の治療
婦人科がん
三重大学・婦人科では、婦人科悪性腫瘍に対して,放射線科・病理部・外科の協力を得て,集学的治療(手術・化学療法・放射線療法)を行っています。当科では,インフォームド・コンセントの精神にのっとり,治療を受けられるすべての悪性腫瘍患者さんについて,患者さん本人に癌告知を行っています。また、癌の治療・予後についてできるだけ多くの情報を提供し,納得して頂いたうえで治療方法を決定しています。
当科では婦人科腫瘍専門医が1名在籍し、婦人科腫瘍学会指定修練施設に認定されています。また,細胞診指導医も2名在籍し、患者さんの病理診断にあたっては、病理部と十分検討した上で診断を行っています。
過去3年間の当科での悪性疾患治療数を示します(図1)。近年、悪性疾患の症例数の増加に伴い、手術数だけでなく、化学療法・放射線療法例も増えています。参考までに、当科での子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌のそれぞれの生存率を示します(図2,3,4)。また、当科ではJGOG(婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構)やKCOG(関西臨床腫瘍研究会)に加盟し、臨床試験を積極的に取り入れています。
図1. 当科における悪性疾患治療症例数(疾患別)
子宮頸癌 | 子宮体癌 | 卵巣癌 | その他 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|
2006年 | 81(41) | 31 | 34(12) | 31 | 177 |
2005年 | 83(32) | 27 | 24(8) | 19 | 153 |
2004年 | 65(37) | 37 | 24(6) | 27 | 153 |
子宮頸癌の()内は高度異形成または上皮内癌
卵巣癌の()内は境界悪性腫瘍
その他は、他院より紹介の再発癌または外陰癌など
図2. 子宮頸癌5年生存率

図3. 子宮体癌5年生存率

図4. 卵巣癌5年生存率
