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疾患の治療

血液内科領域のがん

白血病

 主な対象疾患は、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽性白血病、骨髄異形性症候群、慢性骨髄性白血病と多岐にわたっており、いずれの疾患も骨髄幹細胞レベルでのクローナルな異常が原因であると考えられています。具体的には、骨髄・末梢血標本を基本に、腫瘍細胞の表面抗原発現様式、染色体分析、がん関連遺伝子発現、微小残存病変モニタリング、T細胞サブセットなどの検査にて適切な診断をおこない、抗がん剤、免疫抑制剤による治療はもちろんのこと、骨髄非破壊的幹細胞移植も含めて骨髄および末梢血幹細胞移植およびドナーリンパ球輸注を施行しています。今後、がん免疫療法を用いた新たな治療の可能性についても検討中です。

 グループ内で全ての症例に対する治癒向上を目指した治療戦略を検討するとともに、最新の論文に関する勉強会おこない、Evidence Based Medicineに基づいた適切な診断・治療を全ての患者さんに安心して提供することを目指しています。

悪性リンパ腫

 悪性リンパ腫に関して、当科は特に治療前診断の質にこだわります。最新の分類であるWHO分類に基づく診断を行い、それに病変部位、リンパ腫細胞の性格(表面マーカーなど)に関して過去15年にわたり蓄積した当科独自のデータを加えて予後予測を行います。治療は標準的治療を基本とし、治療前予後予測、患者さんの身体的・社会的背景を考慮した上で決定します。多発性骨髄腫に関しては患者さんの生命の質向上を重視した治療を行います。

 なお当科は日本臨床腫瘍グループ(JCOG)の参加施設であり、標準的治療を確立するための臨床試験も行っています。院内他科、院外からのコンサルテーションには随時対応しています。