遺伝子診断

 がんの遺伝子診断には、いくつかの内容が含まれていますので、ご紹介します。

1.がんであるかの遺伝子診断

 がんは、細胞の形の変化を見て診断しています。がんという病気では、細胞の形が変化する前にある種の遺伝子の変化が起こっており、これが原因でがんが起こると考えられています。どの遺伝子の変化も癌になるわけではありませんが、ある種の遺伝子変化を見いだすことで、がんの早期診断をすることができます。

2.治療効果予測の遺伝子診断

 がんの治療には様々な薬が使われています。最近では、癌細胞の遺伝子変化や患者様の遺伝的体質の個人差により薬の効果や副作用を予測できるものが出てきました。こういった薬は、使う前に癌細胞の遺伝子変化や患者様の遺伝的体質を調べることで、有効な治療の提供と副作用の回避が出来るようになりました。

3.治療効果判定の遺伝子診断

 治療がうまくゆくと、遺伝子変化を持ったがん細胞が減ってゆきます。身体の中の遺伝子変化の量を調べることにより、治療効果がうまくいっているかどうかを調べることができます。

4.遺伝性腫瘍の遺伝子診断

 遺伝子の変化は加齢とともに増加しますので、がんも加齢とともに増加してゆくことはご存知だと思います。しかし、若くしてがんになられることもあります。このような方の中には、生まれつき遺伝子の変化を持っている方がいます。このようながんは親から子に遺伝するもので、遺伝性腫瘍と呼ばれ、がん全体の5%程度がそうだと考えられています。このため、発症した方の確定診断のための遺伝子診断、発症していない血縁者の保因者診断ができます。

5.遺伝カウンセリング

 遺伝・遺伝子診断に関して、疑問や不安のある方には、遺伝カウンセリングで十分に納得していただけるようにご説明いたします。