【研究内容】
 新生児医学分野の中でも,特に,発達免疫学,遺伝子疾患,認知・行動発達科学に力を注いだ研究を実施しています。新生児期の未熟性などは児の精神運動(行動)発達に影響を及ぼします。一方で成長過程における社会経済環境やライフイベントなどの生活環境への暴露が,児の発達や疾患発症などの転帰に作用する可能性もあります。このような将来の病態に影響を与え得る環境的交絡因子の作用も考慮に入れ,次世代に続くreproductive cycleの中で子ども達の健やかな成育を見据えた研究を進めています。主だった具体の研究内容を以下に示します。
1.早産児・成熟児における免疫学的特徴の解明(周産期合併症の病態に影響する免疫応答の解明と日内周期の獲得過程における免疫学的成熟関連を研究します。)
2.受胎における免疫学的制御機構の解明(アロ抗原を発現する胎盤絨毛組織の母体環境への順応機構の解明と免疫学的制御の破綻が胎児に及ぼす病態を解明します。)
3.先天異常症に関する分子機構の解明(先天性血栓性素因や先天性免疫不全症の遺伝子解析と出生前診断への応用について研究します。)
4.シグナル伝達機構の解析(新たな血小板セリン・スレオニンキナーゼの検出とトロンビン受容体のシグナル伝達機構における役割を研究します。)
5.子供の認知・行動発達に影響を与える要因の解明(Birth cohort研究において様々な生活環境が児の発達や疾患発症などに及ぼす影響を解明するとともに,モーションキャプチャーシステムを活用し行動・運動発達の定量化を行います。)

【指導内容】
 上記の研究内容から選択された課題につき研究指導を行います。各々の研究内容に沿い,フローサイトメトリー,免疫組織化学やレーザー共焦点顕微鏡を用いた細胞生物学的研究,蛋白や遺伝子発現の解析,医学・心理学的な発達の観察研究(コホート研究),および,モーションキャプチャーシステムを用いた行動・運動発達の定量化研究に関する指導を行ないます。