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留学体験記

Translational Research in University of Southern California, Norris Comprehensive Cancer Center, Los Angeles USA

田中 光司

2004年7月から2005年12月までの一年半をアメリカ ロサンジェルスにある南カリフォルニア大学(University of Southern California)Norris Comprehensive Cancer Center生化学・分子生物学部のPeter V. Danenberg教授のもとに研究留学をさせていただきました。
Peterは消化器癌化学療法のkey drugである5-fluorouracilをつくったHeidelbergerの一番弟子で,その抗腫瘍作用がDNA合成酵素のTS阻害であることを証明した人です。奥さんのKathyはホルマリン固定パラフィン包埋標本からmRNAを抽出しreal time PCRを用いて遺伝子発現定量をする技術の特許をもちResponse Geneticsという会社を経営しています。当時も現在も経営状態はよく世界の有名な製薬会社と契約しています。製薬会社の仲介のもと世界中の大学(アメリカ,ドイツ,イタリア,スペイン,日本など)の腫瘍科からパラフィンブロックが会社に届くと,薄切標本を作成,NFR染色後,癌細胞だけを摘出し,RNA抽出,目的の遺伝子の発現を定量し数値化して依頼主に送ることが主な仕事で数十名の社員で成り立っています。僕はKathyの会社から35000ドル(当時のポスドクの給与水準に関するNIH勧告にならったようです)をもらいスタッフの仕事の邪魔をしないように研究と会社の仕事をしていました。会社のスタッフはアメリカン,チャイニーズ,メキシカンが同じ割合で仲が良く,食事にいったり毎月誕生日会をしたりラフテイングやスキー(カリフォルニアでスキーです)にいったりとイベントも盛りだくさんで楽しい会社でした。リーマンショック以前のバブル絶頂期であったこと,西海岸であったことなど,物心ともに豊かさを感じました。
ラボの思い出ではないのですが,当時アナハイムで開催されたAACR Annual Meeting 2005に東京医科歯科大学の植竹先生(現;応用腫瘍学准教授)が同僚と一緒に来られており,Peterのところも挨拶に来られて(植竹先生もPeterところに研究留学していました)一緒に食事をさせていただきました。植竹先生と同僚はレンタカーを借りて学会会場以外も足をのばして楽しそうに回っているようでした。その時,僕もいつか大学院生と一緒にこんなことがしたいと強く思い,これまで研究を続けてきました。帰国後,その思いが実現しAACR Annual Meeting 2008(サンディエゴ)に小池先生と一緒に参加したことを皮切りに大学院生や同僚たちとAACR, ASCOなどに参加してきました。基礎研究には実臨床とは違った苦しいこともありますが,みんなと一緒に乗り切り,みんなと一緒に海外へ成果発表しに行くことが当科の恒例になりつつあり,研究をやってきてよかったと思います。今年のAACR Annual Meeting 2014も問山先生,北嶋先生,今岡先生,井出先生とともに留学先から奥川先生も参加し合計6名でレンタカーを借りて行動します。男所帯で多少気持ち悪いかもしれませんが,楽しく発表してきたいと思います。
最後に,留学中に楠教授から頂いたメールの内容の一部です。留学期間の延長をお願いしたときのものです。「教室で留守番をし,当直や雑用をこなしている人たちのためにも成果を上げてください。」このメールはプリントアウトしていつも鞄にいれていましたが,結局,論文という成果を残せませんでした。しかしこの10年,僕なりに教室の研究のために心血を注いできたつもりです。今後,研究留学される先生たちには僕のような人間もいるので,肩の力を抜いて,ベストを尽くしてきてほしいと思います。