消化管・小児外科学に興味のある皆様へ
留学体験記
Cancer Research UK, and Upper GI Surgery Unit, University of Birmingham Queen Elizabeth Hospital, Birmingham, United Kingdom
毛利 靖彦
2008年に半年間,イギリスのバーミンガム大学がん研究センターおよびクイーンエリザベス病院に留学する機会を得ました.お世話になった教授はProf. Drek AldersonとProf. Phillip J Johnsonです.Alderson教授は,外科の主任教授で,上部消化管が専門であり,主に,食道胃接合部癌の集学的治療および手術について御指導いただきました.Johnson教授は,腫瘍内科が専門で,バイオマーカー研究および臨床試験のヘッドでもあり,プロテオミクス解析を用いた胃癌のバイオマーカーについて御指導いただきました.バーミンガム大学へは,御指導いただいた先生は違うものの,私どもの先輩である三木誓雄先生,山本隆行先生が留学していたこともあり,前述の2名の先生方の他に,臨床および研究で大変親切にアドバイスをいただきました.胃癌バイオマーカー研究では,半年間と短い期間でありましたが,様々なプロテオミクス手法を用いた網羅的解析方法について習得することができ,幸運にも研究成果を論文で発表することができました.さらに,この研究をAlderson教授,Johnson教授とともに,日本人および英国人の人種間相違について追試研究を帰国後も行うことができました.さらに,Alderson教授より接合部癌に対する鏡視下手術を導入した低侵襲手術についても学ぶことができました.
私は,幸運にも臨床および研究の両面で留学することができましたが,海外の指導者に受け入れてもらうためには,その目的を明確にし,その重要性をアピールすることであると思います. また,海外留学をすることで,これまで経験したことない異国の文化,習慣に触れ,様々な発見があります(同じ英語でもところ変われば「なまり」があり聴きとるのに大変なこともありますが・・・・).皆さんも貴重な経験ができる留学をぜひ自分の人生の1つの選択肢として考えてもらえればと思います.
バーミンガム大学の中心にある時計台と春の医学部正門前の風景
がん研究センターとJohnson教授とラボメンバー