三重大学肝胆膵・移植外科

Hepatobiliary Pancreatic and Transplant Surgery     ( First Department of Surgery )                             Mie University Graduate School of Medicine      English site here

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  当科(旧第1外科)は,1976年(昭和51年)に水本龍二先生が第3代教授に就任されてから,消化器外科のなかでも肝臓,胆道,膵臓の外科を中心に診療と研究を行い,肝胆膵外科で日本をリードする施設となりましたが,乳腺外科,甲状腺外科などの一般外科の診療も担当してきました.第4代教授(1994)の川原田嘉文先生の時代には,診療・教育・研究は肝胆膵外科領域にさらに重点が置かれるようになりました.第5代教授(2001)の上本伸二先生は三重大学に生体肝移植医療を導入され,全国でも屈指の症例数を誇る移植施設となりました.なお,2005年には三重大学での臓器別診療体制により, 当科は肝胆膵・乳腺外科と名称を変更しました.

 第6代教授(2001)の伊佐地秀司先生は,三重大学医学部を1979(昭和54)年に卒業し水本教授時代に入局されましたが、2007年12月に教授に就任されました。肝移植を継承され、現在までに150例を超えており、全国的にも有数のhigh volume centerになり、2010年4月には脳死肝移植認定施設(現在、全国で22施設)に認定されました。これを機に同年10月には附属病院内に臓器移植センターが開設されました。2011(平成22)年6月に三重県下初の脳死肝移植を施行し、現在までに4例の脳死肝移植が行われています。2008(平成20)年7月には三重大学医学部附属病院乳腺センターが設立され、初代教授に1989(平成元)年三重大学医学部卒業で水本教授時代に入局された小川朋子先生が就任されました。これを機に、当科は三重大学大学院医学系研究科肝胆膵・移植外科学と称することになりました。 

  肝胆膵領域の癌治療については、2001(平成13)年以降この領域にも有効な抗癌剤が登場し、それまでの手術一辺倒の治療から、抗癌剤・放射線治療と手術を組み合わせた治療戦略がとられるようになりました。

  難治癌の代表で21世紀に残された癌である膵癌については、全国に先駆けて2005(平成17)年2月から超音波内視鏡下生検(EUS-FNAB)で膵管癌と診断された局所進行膵癌を対象に化学放射線先行手術のプロトコールを取り入れ、2016(平成28)年12月までに300例以上の症例登録を行い治療成績の向上がえられています。また、膵癌撲滅の啓蒙活動として、パンキャンジャパンとの協力で三重大学構内を一般市民と医療スタッフがともに歩くウオークイベントと市民公開講座を2012(平成24)年から年1回開催しています。

 胆道癌においては、生体肝移植の手術手技を導入して、門脈・動脈同時合併切除再建を積極的に行い、治療成績の向上が得られ、さらに進行胆道癌に対して術前化学療法を導入する、新たな治療方針を作成し治療を行っています。

 水本外科から始まった肝胆膵外科を中心とした教室として、さらに高度な専門技術や知識を追求しており、2008(平成20)年12月から開始された日本肝胆膵外科 学会高度技能医認定制度(無編集ビデオによる試験)では、現在までに6人の合格者を輩出しています。また、日本膵臓学会膵癌取扱い規約検討委員会の委員長は、水本教授(第4版改訂)から川原田教授(第5版改訂)に引き継がれ、さらに伊佐地教授へと引き継がれ現在、第7版改訂に向けて作業が進められています。学会では、2010(平成22)年8月に第37回日本膵切研究会を開催し、2014(平成26)年10月に第288回東海外科学会、 2015(平成27)年6月に第122回日本消化器病学会東海支部例会、2016(平成28) 年8月に日本膵臓学会・国際膵臓学会合同学会の主催が開催されました。

 大学病院では肝胆膵外科を中心に診療をしていますが,当科の関連病院(21施設,初期臨床研修指定病院13施設)では 食道,胃,大腸疾患などの一般消化器外科のみならず,外科救急疾患,乳腺外科,甲状腺外科など,幅広い外科疾患を扱っています.

 当科は2013年10月20日に第一外科開講70周年記念祝賀会を開催しました.70年の歴史については「変革と歴史」を参照して下さい.


 ©Shuji Isaji 2017