《 定 義 》 |
赤痢菌(Shigella dysenteriae、S.flexneri、S.boydii、S.sonnei )の経口感染で起こる急性感染性大腸炎である。 |
《 臨 床 的 特 徴 》 |
潜伏期は1〜5日(大多数は3日以内)。主要病変は大腸、特にS状結腸の粘膜の出血性化膿炎、潰瘍を形成することもある。このため発熱、下痢、腹痛を伴うテネスムス(tenesmus;しぶり腹-便意は強いがなかなか排便できない)、膿・粘血便の排泄などの赤痢特有の症状を呈する。近年軽症下痢あるいは無症状に経過する例が多い。症状は一般に成人よりも小児の方が重い。
|
《 報告のための基準 》 |
診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の方法によって病原体診断がなされたもの。
(材料)便など
- 病原体の検出
赤痢菌の分離・同定
- 疑似症の診断
臨床所見、赤痢流行地への渡航歴、集団発生の状況などにより判断する
(鑑別診断)カンピロバクター、赤痢アメーバ、腸管出血性大腸菌等による他の感染性腸炎等
|
《届出について》 |
届出の対象
|
患者・疑似症患者・無症状病原体保有者(キャリア) |
届出の時期
|
直ちに |
届出事項
|
氏名・年齢・性別・職業・住所・所在地・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域・その他(保護者の住所・氏名) |
《備 考》 |
- 法による入院の勧告は、無症状のものは対象とならない。
|