• 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム

    感染症予防法で、医師からの届出対象となる感染症のリストと届け出基準

    4類感染症で全例報告のもの
    劇症型溶血性レンサ球菌感染症


    《 定 義 》

    突発的に発症し、急激に進行するA群レンサ球菌による敗血症性ショック病態である。

    《 臨 床 的 特 徴 》

    初発症状は咽頭痛、発熱、消化管症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢)、全身倦怠感、低血圧などの敗血症症状、筋痛などであるが、明らかな前駆症状がない場合もある。後発症状としては軟部組織病変、循環不全、呼吸不全、血液凝固症状、腎肝症状など多臓器不全を来し、日常生活を営む状態から24時間以内に多臓器不全が完結する程度の進行を示す。A群レンサ球菌による軟部組織炎、壊死性筋膜炎、上気道炎・肺炎、産褥熱は現在でも致命的となりうる疾患である。

    《 報告のための基準 》

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の3つの基準を全て満たすもの
    1. 血液または通常ならば菌の生息しない臓器からA群レンサ球菌を検出(末梢血塗抹標本または壊死軟部組織の鏡検によるレンサ球菌の確認も含む)
    2. ショック症状
    3. 多臓器不全(以下の症状のうち3つ以上) 肝不全、腎不全、成人型呼吸窮迫症、播種性血管内凝固症候群、軟部組織炎(壊死性筋膜炎を含む)、発疹、痙攣・意識喪失などの中枢神経症状

    (鑑別を要する病態)
    A群レンサ球菌による軟部組織炎(丹毒)
    他の菌による敗血症または敗血症性ショック


    《届出について》

    届出の対象 患者
    届出の時期 7日以内
    届出事項 氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域

    《備 考》


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