• 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム

    感染症予防法で、医師からの届出対象となる感染症のリストと届け出基準

    4類感染症で全例報告のもの
    日本脳炎


    《 定 義 》

    フラビウイルス科に属す日本脳炎ウイルスの感染による急性脳炎である。ブタが増幅動物となり、蚊が媒介する。

    《 臨 床 的 特 徴 》

    感染後1〜2週間の潜伏期を経て、急激な発熱と頭痛を主訴として発症する。その他、初発症状として 全身倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、腹痛も存在する。その後、症状は悪化し、項部硬直、羞明、意識障 害、興奮性の上昇、仮面様顔貌、筋硬直、頭部神経麻痺、眼振、四肢振戦、不随意運動、運動失調、病的 反射が出現する。知覚障害はまれである。発熱は発症4〜5日に最も高くなり、発症後一週間程度で死亡 する例が多い。熱はその後次第に低下する。致命率は約25%、患者の50%は後遺症を残して回復、25%は ほぼ完全に回復する。

    《 報告のための基準 》

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断や血清学的診断がなされたもの
    • 病原体の検出
      例 血清、髄液からの日本脳炎ウイルスの分離など
    • 病原体の遺伝子の検出
      例 PCR法など
    • 病原体に対する抗体の検出
      例 血清または髄液中の日本脳炎ウイルス特異的IgM抗体の存在
        血清抗体価の上昇(IgG抗体価がペア血清で4倍以上の上昇)など

    《届出について》

    届出の対象 患者
    届出の時期 7日以内
    届出事項 氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域

    《備 考》

    なし

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