感染初期(stage1)には、マダニ刺咬部を中心として限局性に特徴的な遊走性紅斑を呈することが多
い。随伴症状として、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感などのインフルエンザ様症状を伴うこ
ともある。紅斑の出現期間は数日から数週間といわれ、形状は環状紅斑または均一性紅斑がほとんどであ
る。
播種期(stage 2)には、体内循環を介して病原体が全身性に拡散する。これにともない、皮膚症状、神
経症状、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が見られる。 感染から数カ月ないし数年を経
て、慢性期(stage3)に移行する。患者は播種期の症状に加えて、重度の皮膚症状、関節炎などを示すと
いわれる。本邦では、慢性期に移行したとみられる症例は現在のところ報告されていない。症状として
は、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、慢性脳脊髄炎などがあげられる。
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