• 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム

    感染症予防法で、医師からの届出対象となる感染症のリストと届け出基準

    4類感染症で全例報告のもの
    ライム病


    《 定 義 》

    マダニ(Ixodes属)刺咬により媒介されるスピロヘータ(ライム病ボレリア;Borrelia burgdorferi sensulato )感染症である。北米、欧州、ロシア、本邦を含む極東地域で広くみられ、患者は皮膚症状、神経症状、 心筋炎など多様な症状を示す。本邦では国内例、輸入例ともに見られる。

    《 臨 床 的 特 徴 》

    感染初期(stage1)には、マダニ刺咬部を中心として限局性に特徴的な遊走性紅斑を呈することが多 い。随伴症状として、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感などのインフルエンザ様症状を伴うこ ともある。紅斑の出現期間は数日から数週間といわれ、形状は環状紅斑または均一性紅斑がほとんどであ る。

    播種期(stage 2)には、体内循環を介して病原体が全身性に拡散する。これにともない、皮膚症状、神 経症状、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が見られる。 感染から数カ月ないし数年を経 て、慢性期(stage3)に移行する。患者は播種期の症状に加えて、重度の皮膚症状、関節炎などを示すと いわれる。本邦では、慢性期に移行したとみられる症例は現在のところ報告されていない。症状として は、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、慢性脳脊髄炎などがあげられる。


    《 報告のための基準 》

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断や血清学的診断がなされたもの
    1. 病原体の検出
      例 生体試料からの分離培養など
    2. 病原体に対する抗体の検出
      例 血清のELISA法やWestern Blot法検査など

    《届出について》

    届出の対象 患者
    届出の時期 7日以内
    届出事項 氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域

    《備 考》


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