《 定 義 》
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マールブルグウイルス(フィロウイルス科)による熱性疾患である。 |
《 臨 床 的 特 徴 》
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潜伏期間は3〜10日間である。発症は突発的である。発熱、頭痛、筋肉痛、皮膚粘膜発疹、咽頭結膜炎に続き、重症化すると下痢、鼻口腔・消化管出血が見られる(エボラ出血熱に類似する)。マールブルグウイルスの自然界からヒトへの感染経路は不明である。ヒトからヒトへは血液、体液、排泄物との濃厚接触及び性的接触によりウイルスが伝播する。ドイツにおける大発生(1967年)においてはアフリカミドリザルの血液、組織との接触によるものであった。アフリカ(ケニヤ等)での発生例にはサルは無関係であった。治療法はなく、対症療法のみである。 |
《 報告のための基準 》
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(材料)血液、尿、咽頭スワブ等
- 病原体の検出
例 ウイルスの分離など
- 抗原の検出
例 ELISA法による特異抗原の検出など
- 病原体の遺伝子の検出
例 PCR法など
- 血清抗体の検出
例 免疫蛍光法、ELISA法など
- 当該疾患を疑う症状や所見はないが、病原体か抗原が検出されたもの
(病原体や抗原は検出されず、遺伝子や抗体のみが検出されたものを含まない)
疑似症の診断
臨床的特徴に合致し、以下の疾患の鑑別診断がなされたもの
他のウイルス性出血熱、チフス、赤痢、マラリア、デング熱、黄熱等
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《届出について》
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届出の対象 |
患者・疑似症患者・無症状病原体保有者(キャリア) |
届出の時期 |
直ちに |
届出事項 |
氏名・年齢・性別・職業・住所・所在地・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域・その他(保護者の住所・氏名) |
《備 考》
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当該疾患を疑う症状や所見はないが、病原体や抗原は検出されず、遺伝子や抗体のみが検出されたものについては、法による報告は要しないが、確認のため保健所に相談することが必要である。 |