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基本情報

授業科目名称 生理学
よみがな せいりがく
英語表記 Physiology
対象学生・科目区分 医学部医学科・生体の構造と機能・・2~3年次
開講学期・単位数等 スケジュール表による・学科必修・「生体の構造と機能」として18単位
開放科目 開放しない
担当教員 教授:山本哲朗、山崎英俊 
講師:山根利之 
助教:法貴葉子、重岡稔章

授業内容・計画

授業形態 講義,実習
キーワード・テーマ 生理学、ホメオスターシス、内臓機能、神経・筋肉機能
授業の目的・概要  生理学(Physiology)は、生命活動の動的機構の解析を目的とし、細胞や器官の機能解明と、これらの機能が統合された個体全体の生命現象の解明を目指す学問である。現在の学問領域の多くは解剖学、生理学から分化発展したものであり、医学知識の基本的な部分を占め、専門課程の最初に学習することになっている。生理学の守備分野は非常に広範な領域を含むが、大きく植物性機能と動物性機能に分けられ、「生体の構造と機能」の機能理解を担当している。
植物性機能とは、生物の生命維持に必須な機能であって、血液、循環、呼吸、消化、排泄、代謝内分泌などが含まれ、端的には、内臓機能とも表現しうる。これらは、自律神経およびホルモンによる調節を受けるので、これらの調節系も植物性機能として取り扱われる。
一方、動物性機能は、骨格筋や神経系に代表される機能であり、筋、神経細胞の共通の特徴である興奮性の理解から始め、筋肉特有の収縮機構、情報伝達部位であるシナプスの働きについて理解した上で、神経系の動作機序をシステムとして理解してゆく。具体的には、脊髄・延髄レベルでの反射機構から、感覚情報処理、運動調節系などの中枢神経機能の理解、個体として外部および内部環境の変化に対する反応系の理解などが含まれる。また、言語機能・脳波・精神活動などの高次脳機能の神経科学的な理解も試みる。このような事項は、将来PBLチュートリアルでの課題や関連した神経内科学、脳神経外科学、精神神経科学などの講義でも再度学習することになる。
学生の到達目標 細胞・組織・器官系の機能統合を理解し、人体構造と機能の有機的再構築が出来ること。
受講要件 1〜2年次前期までの基礎的人体生物学、生化学などを理解していること。
発展科目 今後学習する「生体の構造と機能」その他関連領域科目
教科書、参考書 講義は丸善「ギャノング生理学」を指定教科書とする。
その他参考図書としては、医学書院「標準生理学」、南山堂「Text生理学」、
欧文教科書としては「Physiology」 5th,Ed.,Berne & Levy eds.,Mosby,2005
「Neuroscience;exploring the brain」3rd,Ed.,2006
「Principles of Neural Science」4th,Ed.,2000 などを推薦する。
成績評価方法と
基準
成績評価は筆頭試験によるが、実習点・レポート点・出席を加味する。
オフィスアワー 連絡先等

生理学全体に関しては、
 システム神経科学教授 山本哲朗(231−5005または内線6336)
 再生統御医学分野教授 山崎英俊(231−5498または内線6571)
 
植物機能に関しては、
 教室事務員 山田(内線6331)

動物機能に関しては、
 教室事務員 黒崎(内線6337)
授業改善への対応 学生アンケートの結果を反映する様にしている。適宜ビデオなどの教材を利用して学生の興味を引く様に工夫している。

学習内容

学習の内容 講義項目
<学年別概要>
2年生の後期9月中旬から植物機能、動物機能を平行して講義してゆく。なお動物機能の講義理解のためには、2年生前期で行われる脳実習での中枢神経系の構造の理解が必須である。

I 植物機能
1)一般生理学の概念
2)イオンチャネルおよびトランスポータによる膜輸送
3)血液の生理学(赤血球の機能、血漿の機能を主として)
4)循環の生理学
5)自律神経の生理学
6)呼吸の生理学
7)消化器の生理学
8)腎臓の生理学
9)酸塩基平衡の調節機構

II 動物機能
1)興奮性膜とチャンネル
2)シナプスの生理学
3)筋肉生理学
4)脊髄,脳幹の機能(反射生理学)
5)感覚生理学(視床、大脳皮質の感覚機能)
6)運動生理学(小脳、大脳基底核、大脳皮質の運動機能)
7)脳の高次機能(大脳皮質、辺縁系の機能)
8)臨床神経生理学
9)神経科学の最前線(非常勤講師)

III 生理学実習
能動輸送(カエル小腸の膜輸送), 心機能(カエル心臓のフランクスターリング機構の解析), カエル坐骨神経の活動電位, ヒトの筋電図, ヒトの脳波および誘発電位などの5〜6項目を実施する。