臨床・研究活動

臨床・研究グループ紹介三重大学大学院 脳神経外科学の研究グループをご紹介いたします。

救急

救急医療
2011年12月より、三重大学医学部附属病院は新病院へ移行しました。新病院の特徴の一つとして充実した救急医療施設が挙げられます。初療室は2室あり、気道管理、呼吸及び循環管理に必要な各種医療機器や薬剤を備えている他、緊急に開胸、開腹術、穿頭術等を行うことが可能であり、多発外傷等の重症病態に対応できるようにしています。また初療室に隣接してCT室があり、患者の移動は短時間で可能です。
さらに救急外来とICUおよび手術室は専用エレベーターでつながっており、重症頭部外傷や脳血管障害に対し初療から根本的治療まで速やかに行うことができます。
集中治療
ICUでは、人工呼吸器、各血液浄化装置、PCPS、IABPなどを用いて厳重な集中治療が可能です。脳神経外科としては、重症頭部外傷や重症くも膜下出血術後などの頭蓋内圧亢進症例に対し、非侵襲的体表冷却装置を用いて積極的に脳低体温療法を行っております。すなわち脳温の上昇は、損傷脳に対して悪影響をきたすことは多数報告されており、脳損傷患者の体温を管理することは重要です。臨床的にも頭蓋内圧亢進に対する有効性が確認されています。脳低体温療法は、標準的治療法としては確立されていないものの、頭蓋内圧亢進を有する症例には治療の選択肢の一つとして考慮されます。
ドクターヘリ
脳神経外科医の活躍の場は病院内だけとは限りません。当科ではフライトドクターとしてドクターヘリに搭乗するスタッフもいます。
脳神経外科医が現場に出動する意義として、まずその経験を生かした頭部外傷患者に対する早期治療の介入が挙げられます。すなわち、交通外傷や墜落事故などにおける高エネルギー外傷による死亡例の約60%に頭部外傷を伴うといわれており、高エネルギー外傷の救命率向上のためには, 重症頭部外傷に対する治療戦略が重要です。現時点における重症頭部外傷急性期治療の主体は二次性脳損傷の進行の防止であり、特に低酸素、低血圧の改善と頭蓋内圧亢進
の回避に重点が置かれています。前者に対しては受傷早期からの呼吸、循環管理が重要であり、その手段として現場で初期診療が開始できるドクターヘリは有効と考えられます。また後者に対しては減圧開頭術などが適応となり、これらに一貫して脳神経外科医が関わることにより、重症頭部外傷の迅速かつ適切な治療を行うことが可能となっています。さらに、ドクターヘリは外傷治療のみならず、脳卒中においても重要な搬送手段であります。すなわち、近隣に脳神経治療を行える医療機関がない場合、搬送に時間がかかることにより投薬や手術の開始が遅れてしまい、救命できるチャンスを逃したりします。特にrt-PAを用いた血栓溶解療法は時間が勝負であり、緊急に脳神経治療を行える施設に搬送する必要があります。その際威力を発揮するのがドクターヘリであり、搬送時間を大幅に短縮することができます。実際、脳卒中治療におけるドクターヘリ搬送の有用性と費用対効果が示されています。
ドクターヘリ
その他
鈴鹿サーキットで行われるレースにメディカルスタッフとして参加。
JATEC、ICLSなどのoff the job training への参加。
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