Department of Oral and Maxillofacial Surgery
Mie University Graduate School of Medicine

教授挨拶

教授 新井直也

口腔・顎顔面外科学 教授
新井直也

三重大学の口腔・顎顔面外科は、1953(昭和28)年に開講され、県内唯一の大学の口腔外科として臨床・教育・研究の役割を果たしてきました。教室は今年で64年目となります。

【一般の方々へ】

口腔・顎顔面領域に生じる疾患は、感染症、腫瘍、嚢胞、外傷、奇形・発育異常、神経疾患のほか、顎関節疾患、唾液腺疾患など多岐にわたります。当診療科は、これらの疾患を対象として、その治療や予防を行っています。当科は県内の口腔外科の拠点であり、以下の3つを診療の柱に据えています。第一に、治療成績が安定し国内で広く受け入れられている標準治療の提供を心がけています。第二に、高次医療機関として口腔がんや顔面外傷などにおいて先進医療を手がけています。第三に、県内各所の関連病院と連携し横のつながりを密にしています。これらを診療の「鼎」として、地域のニーズに応えられるよう努めています。

【臨床研修医となる方々へ】

当科では、上記の通り、治療成績が安定し多施設で広く受け入れられている標準治療を実践しています。教育的観点から眺めると、ここには次のような利点があります。教室の先輩が治療方針を共有するため、研修医は迷いなく標準治療を学ぶことができます。同じ疾患でも施設によって治療内容が異なることがありますが、自身の診療ポジションに自信を持つことができます。ただし、標準治療は優先されるべき治療法ですが、効果が十分でないものや、標準治療自体が確立されていない疾患もあります。ただ教わるだけではなく、日常臨床の中で自身が観察した結果に疑問を持ち、解明したいという意欲が大切です。それがいつの日か研究へと繋がります。

【口腔外科医を目指す方々へ】

将来臨床医を目指す者が、若い頃に臨床と研究のどちらに身を置くか。これは人生の中で一つの選択です。近年は研究して学位を取るより、専門医を目指す実学重視の傾向が強いと言われます。臨床講座にとって、基礎(研究)と実用(臨床)は川の上流と下流に例えられます。上流で稚魚を放流するので、下流で成魚(成果)が収穫できるという意味です。大勢が下流で成魚を待ち構える図は明るい未来を予想させません。臨床のブランクができても研究をして学位をとり、さらには海外に留学してみたいという気概のある若者を歓迎します。当科では現在、細胞内酵素であるフォスフォジエステラーゼの遺伝子変異と癌浸潤との関連や、薬剤の副作用で起こる顎骨壊死のメカニズムなどをテーマに基礎研究を行っています。

【歯科衛生士関係の方々へ】

三重大学附属病院には2013年、口腔ケアセンターが設置されました。肺炎が脳血管疾患を抜いて死因の3位となった現在(1位はがん)、誤嚥性肺炎を予防し、抗癌剤による口腔粘膜炎を軽減できる専門的口腔衛生管理は需要が増え続ける一方です。その担い手として期待されるのが新制度の歯科衛生士たちです。歯科衛生士学校は法改正により、それまで2年制だった教育年限が3もしくは4年制に延長されました。三重県に3校ある歯科衛生士学校でも、2013年以降そろって3年制の卒業生を輩出しています。増加の一途をたどる高齢者やがん患者に均質の口腔衛生を提供するには、歯科衛生士たちの主体性な活躍が不可欠です。できるかぎり当科もその育成のお手伝いをしたいと考えています。

三重大学口腔・顎顔面外科は、これからも三重県の口腔外科医療と歯科医学の発展に貢献できるよう努めてまいります。

略歴

1989年 北海道大学歯学部卒業
1993年 東京医科歯科大学歯学部第一口腔外科 大学院修了
1996年 日本学術振興会特別研究員
1997年 カロリンスカ研究所(スウェーデン)留学
2000年 東京医科歯科大学歯学部顎顔面外科(旧・第一口腔外科) 助手
2003年 エアランゲン大学(ドイツ)留学
2004年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 顎顔面外科学分野 助教
2008年 富山大学大学院医学薬学研究部 歯科口腔外科学講座 准教授
2013年 三重大学大学院医学系研究科 口腔・顎顔面外科学分野 教授

所属学会

日本口腔外科学会(代議員・指導医)
日本口腔科学会(評議員)
日本口腔腫瘍学会
日本顎変形症学会
日本口腔組織培養学会(理事)
日本口腔顎顔面外傷学会(理事)
日本歯科薬物療法学会(評議員)
IBCSOMS (Fellow)

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