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当分野は、麻酔集中治療学の関与する領域を担当している。手術・検査時に必要な麻酔管理の考え方(チュートリアル教育)、疼痛の発生機序と治療法、集中治療、緩和医療、東洋医学を包括的に講義している。
全ての科・患者に関係する輸液管理、疾患・診療科にかかわらず発生する人工呼吸など、患者管理に直結する内容については、臨床実習に出る前にその基本をおさえ、領域を超えた集学的観点を重視している。
また、医学部医学科に加え、看護学科、全学共通教育(急病の観察と判断、病気のサインと健康)、鈴鹿医療科学大学(医用工学部、鍼灸学部)、三重県消防学校に出講している。
医学科学生に対しては、分野の研究テーマである肺高血圧の病態の解明と治療に関する研究や人工呼吸による急性肺傷害の発生機序の解明と治療に関する研究

教授
丸山 一男
講師
横地 歩
学部担当科目
麻酔集中治療学(チュートリアル)・緩和医療学・東洋医学(分担)
附属病院診療科名
麻酔科(ペインクリニック・ 鍼灸外来・漢方外来)
居室
病態医科学研究棟 4階

研究・教育内容

肺高血圧は、肺血管の弛緩・収縮機構の異常や器質的異常により肺動脈圧が上昇する疾患・病態である。特発性肺高血圧、右左シャントを伴う先天性心疾患、新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)、慢性閉塞性肺疾患、膠原病、薬物中毒、急性肺傷害、肺塞栓などに伴って発生する。肺動脈の器質的変化は、本来血管平滑筋を持たない肺胞や肺胞管レベルの末梢肺動脈での筋性血管の出現、すでに血管平滑筋を持つ筋性動脈での中膜肥厚を特徴とし、進行するとそう状病変が発生する。治療として、急激な肺動脈圧の上昇に対して、体血圧を下げない選択的肺動脈圧降下を図り、慢性的肺高血圧に対しては血管拡張療法と同時に肺血管の器質的変化の進行を抑制し、さらに一旦発生した肺動脈血管病変の正常化を目指すが、決定的な治療法は確立されていない。

慢性低酸素暴露肺高血圧ラットおよびモノクロタリン誘起肺高血圧ラットの摘出肺動脈は、正常に比し、一酸化窒素(NO)による弛緩反応が抑制されていた。一方、肺動脈カテーテルを留置した肺高血圧ラットでは、NO吸入は0.1ppmの低濃度から、選択的肺動脈圧降下作用を示した。1991年頃より、低濃度のNO吸入を臨床試用した(小児科、胸部外科、呼吸器内科、集中治療部)。肺高血圧血管病変の発生や回復過程について、長期吸入NO、NO前駆物質であるLアルギニン、誘導型NOS阻害薬、レチノイン酸、抗酸化薬、心房性利尿ペプチド、抗血小板薬、漢方薬などによる作用を、内皮型NOS、誘導型NOSの動態を蛋白レベル、mRNAレベルで解析し、その上流・下流のシグナルを含めて、抗肺高血圧作用を、分子レベル、組織レベル、個体レベルで検討してきた。現時点で人への治療に直結した研究はNO吸入のみであるが、慢性肺高血圧の発生抑制・進展抑制・回復効果のある新規薬物の探索を行っている。さらに、人工呼吸に起因する急性肺傷害(VILI)の発生機序の研究も行っている。


  • 肺高血圧ラットのNO吸入による
    選択的肺動脈圧降下作用(1991年)

  • 内皮型一酸化窒素合成酵素の
    肺動脈免疫染色

  • 遠隔臓器における吸入NOの再生

  • 日本麻酔科学会学術集会での学生による発表

  • 講義ノートから産まれた出版物 (南江堂 2005, 2009)

研究業績

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