シグナル伝達分子群は、サイトカインやホルモンなど細胞外からの様々な情報を細胞内に伝達することによって生命機能を制御しています。適切なシグナル伝達は、健康的な個体の維持に重要であり、その異常が様々な病気を引き起こします。私たちの研究室では、免疫、代謝、老化、がんといった、現代医学で重要とされる研究対象に焦点を当てて、病態に関わるシグナル伝達を研究します。それによって病気の理解を深め、新たな治療法の基礎を築きます。特に病気や健康維持に関わる分子の機能を個体レベルで明らかにすることを目指し、発生工学による遺伝子改変マウスの作成、遺伝子工学や各種細胞生物学的手法、プロテオミクスやゲノミクス手法を駆使して研究をしています。

教授
緒方正人
助教
大隈貞嗣
学部担当科目
生体の構造と機能(生化学)・分子医学実習(生化学)・分子生命体科学(分担)・医学概論(分担) 分子医科学(院・分担)・生命医科学特論I(院・分担)・生命医科学特論II(院・分担)
居室
先端医科学教育研究棟 3階

研究・教育内容

疾患制御のカギ分子としてのMAPKの研究

MAPKカスケード構成分子群は、細胞外の情報をリン酸化シグナルとして細胞内に伝達する役割を担っており、刻一刻と変化する外界の様々な状況に細胞が対応するために必要不可欠な分子群です。MAPKの機能は細胞レベルでは、細胞の増殖やアポトーシス、ストレス応答、分化などに関わることが示されてきており、細胞機能の制御におけるMAPKの重要性は明らかです。しかし、哺乳動物の個体レベルでの機能については十分には分かっていませんでした。  私たちの研究室では、p38 やERKといったMAPK遺伝子を欠損したマウスを作製し、個体レベルでの機能解析を行っています。これまでの研究では、個体発生に加えて免疫、炎症、代謝の制御に関わることを見出しています。免疫と代謝、老化、がんは一見別々の生命現象に見えますが、実は密接な関連が示唆されています。例えば、免疫細胞は、代謝性疾患の生活習慣病に関わります。代謝は、老化に関連します。老化はがん化に関連します。MAPK分子は、これらの生命現象に広く関わり、これらを結ぶカギ分子として働く可能性があります。MAPK分子の研究によって、免疫系、代謝系、老化制御、がん化をつなぐあらたな仕組みを明らかにできると期待しています。

食品や漢方薬によるメタボリック・シンドロームの改善

メタボリック・シンドロームを制御・軽減するための食品成分、薬効成分の生理学・分子生物学的解析をしています。ラットやマウスを用いて、食品や漢方薬が遺伝子発現に与える影響やその作用機序を研究しています。DNAマイクロアレイを用いて、共に脂質代謝や糖代 謝経路における変化を解析し、成分配合の最適化や特許取得戦略の構築を行います。


当研究室の研究内容
p38 やERKといったMAPK遺伝子を欠損したマウスを作製し、個体レベルでの機能解析を行っています。

研究業績

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