生体内で細胞の接着と移動を制御し、細胞間でのコミュニケーションを司る接着分子システムの機能を深く理解することにより、免疫病や癌転移における細胞動態を明らかにし、臨床現場にその知見を還元する”Bench to Bedside and Back”をモットーに研究をしています。
接着分子インテグリンインテグリンによるダイナミックな細胞接着は、リンパ球など免疫細胞の臓器特異的ホーミングや、白血病細胞が臓器に浸潤するプロセスを制御してます。正常細胞ではインテグリンはデフォルトの状態で親和性は低く抑えられているが、免疫病や癌化にともない親和性は過剰に上昇します。この病態に関与するインテグリン親和性バランスを制御する機序や、血管内皮細胞の統合性維持に不可欠なインテグリン・コネキシンによるシステム・ロバストネスが構築される実態を研究します。
教授
島岡 要
准教授
朴 恩正
学部担当科目
分子病態学、分子医学実習
居室
総合研究棟Ⅰ 4階

研究・教育内容

免疫細胞や白血病細胞は接着分子インテグリンを使い、血管内皮に接着し、臓器に深く浸潤します。私たちは細胞接着能と浸潤能の基盤となるインテグリン親和性制御の機序 (Nat Struct Biol 2000; Annu Rev 2002; Cell 2003)や細胞間のコミュニケーションを担う接着分子コネキシンの血管内皮における新規機能(Exp Cell Res 2011)を解明してきました。
インテグリンを活性化するコンフォメーション・シグナル伝達の”要(かなめ)”となる部位を同定し(Immunity 2003, Cell 2003; PNAS 2001)、この”要”を標的としてシグナルを阻害するさまざまな戦略 (Nat Rev Drug Discover 2003)や、インテグリンの内在化を利用した免疫細胞や白血病細胞へのsiRNAデリバリー新規技術 (PNAS 2007; Science 2008)を開発してきました。また凝固系と炎症が血管内上でクロストークすることを提唱してきました(Crit Care Res Pract 2012)。
接着分子インテグリンは標的臓器へのリンパ球ホーミング、さらには標的臓器内でのリンパ球活性化という免疫病の病態生理において重要な2つのステージで、細胞接着を制御している。インテグリンの親和性は正常細胞では低く維持されるが、癌化にともない異常に亢進する。私たちは新規インテグリン・ノックインマウス(J Clin Invest 2007; Blood 2008; Blood 2010)より得られた知見から、インテグリン親和性バランス制御の”乱れ”(Aberrant Regulation)が慢性炎症や癌浸潤の病態に関与している可能性を提唱してきました (JCI 2007. Editorial)。 このインテグリン親和性制御の”乱れ”が免疫病の病態生理に与えるインパクトの分子基盤を研究しています。
研究者にとって必要な分子生物学的手法やタンパク工学的手法をマスターするだけでなく、科学的で合理的な思考法・科学論文の速読や精読法、英語論文の書き方、プレゼンテーション(研究者の英語術 2009)など、職業人として仕事に必要なスキルを向上させ、挑戦できるマインドセット(研究者の仕事術 2010)が身につくようなトレーニングを提供します。

研究業績

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