上気道は単なる気道という以外に、吸気を加温・加湿する、異物を粘液線毛機能で排除する、においを感ずるなどの生理的機能を持っています。鼻副鼻腔炎、アレルギーなどの病的状態に陥ると、これらの機能が損なわれ、粘液の分泌の増加、鼻閉、嗅覚低下などの諸症状が惹起されます。私たちの教室では気道の防御機構を研究テーマとし、気道の生理・病態の解明、気道疾患の新しい治療法の開発を目指しています。

教授
竹内 万彦
准教授
小林 正佳
講師
石永 一
大津 和弥
学部担当科目
耳鼻咽喉科
附属病院診療科名
耳鼻咽喉・頭頸部外科
居室
病態医科学研究棟 8階

研究・教育内容

気道粘膜には粘液を産生する細胞、線毛を持ち粘液を輸送する細胞などがあり、粘液線毛輸送機能が備わっています。生まれつき線毛の機能が十分でないために気道の炎症性疾患や中耳炎を起こしやすい病態があり、その解明をおこなっています。また、近年、従来の感染を主とした副鼻腔炎は減少し、喘息に似た好酸球性副鼻腔炎や好酸球性中耳炎が増加していますが、その病態は不明な点が多く、未だ十分な治療法が確立されていません。
これらの好酸球性炎症において、気道上皮細胞がいかに炎症にかかわり粘液が増加しているのか、さらに細胞内シグナル伝達の解明を行い、その病態解明を目指しています。また、アレルギー性鼻炎や花粉症も増加していますが、スギ花粉症の新しい治療法である舌下免疫療法に取り組んでいます。日本で唯一小児のスギ花粉症の舌下免疫も行っています。これらの疾患では嗅覚が障害されることも多く、QOLの低下をもたらします。難治性嗅覚障害の治療法の開発を目的とした嗅覚再生医療のための研究(トランスレーショナル・リサーチ)や、においを感じる嗅細胞の情報伝達機構を解明するための基礎研究、また嗅覚をよりよく評価できる新しい臨床検査法の開発にも取り組んでいます。

  • 気道上皮細胞の炎症のシグナル伝達経路

  • 原発性線毛運動不全症の線毛の透過型電子顕微所見

  • 副鼻腔炎の上顎洞粘膜の走査型電子顕微鏡所見

  • 嗅神経切断後70日目の神経再生。A、B:テフロンカッターで嗅神経切断した軽傷例。C、D:ステンレスカッターで切断した重傷例。軽症例の方が嗅上皮(OE)から嗅球(OB)への神経再生、軸索再投射が良好である。

研究業績

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