21世紀の新しい研究領域である薬理ゲノミクス(ファーマコゲノミクスPharmacogenomics)を核にした研究戦略により新しい創薬ターゲットを発見し、臨床医学へ還元することを目的とする。
具体的には、遺伝子多型(ゲノム)、遺伝子発現プロファイル (トランスクリプトーム)、プロテオーム、メタボローム、フェノームにおける包括的解析を基盤に、逆薬理ゲノミクス(reverse pharmacogenomic)と正薬理ゲノミクス(forward pharmacogenomics)の統合的研究戦略によりヒトゲノム上の総ての新しい治療薬ターゲットを効率良く探索し、ターゲットバリデーション(target validation)を可能にするだけではなく、患者個人の機能ゲノミクス情報に基づいたテーラーメイド至適薬物療法を実現する。

教授
田中 利男
講師
西村 有平
学部担当科目
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附属病院診療科名
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居室
総合研究棟Ⅰ 4階

研究・教育内容

教室では以下の研究プロジェクトを行っているので、関心のある学生諸君は、新医学専攻、研究室研修、大学院生、研究生として参加されることを歓迎する。
医学の中心が診断学から治療学へシフトしつつある現在、21世紀における新しい研究領域である薬理ゲノミクスを、教室では世界に先駆けて構築している。
まず現在国際的に使用されている治療薬の多くは、いまだ真の作用機序が不明のままであることに注目し、その作用機序をゲノムサイエンステクノロジーで解析することにより、新しい治療学を構築する。すなわち、薬物のゲノムレベルでの作用機序を解明するために主に包括的遺伝子発現プロフィール解析(マイクロアレイ・DNAチップなど)により、新しい治療薬標的分子(治療遺伝子)の探索研究を総合的に実施している。
さらに薬理ゲノミクスは、薬物による治療過程の機能ゲノム機構を、我々に明確に示し、全く新しい薬物治療学の確立を可能にする。対象となる疾患病態は、心不全、メタボリックシンドローム、動脈硬化症、脳血管攣縮、癌の転移と浸潤などである。
これらの難治性疾患に対する新しい薬物治療学の基盤研究の確立が最終目標となる。

教育

薬理学は、生物系と化学物質の選択的相互作を研究し、薬物療法の基礎となる科学である。生物系は、個体、器官、細胞、分子、遺伝子のレベルで解析し、化学物質は、生物系と選択的相互作用を持つものが対象となる。 薬理学の講義においては、主に「なぜよい薬物は、疾患病態において特定の分子に選択的に作用することにより治療が可能になるのか」の根本原理について個体から遺伝子までの薬理ゲノム科学の観点から解説し、新しい薬物治療学の全体像をゲノムレベルでの理解に到達することを目的にする。
 さらに、現在なお治療が困難な疾患に対する、新しい薬物治療学への試みを提示する。そのために多くの治療薬の標的システムである細胞シグナリングを中心に具体例を解説し、理解を促進する。

研究業績

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