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三重大学大学院医学系研究科
修復再生病理学分野

【研究内容】

1)胎児期における器官形成の制御機構
2)癌、炎症、再生など病変組織における組織リモデリングとその制御機構
3)器官・組織の維持などの生理的な組織リモデリングの機構など
を中心に現在研究を進めています。

 組織を構成する細胞の種類やその配置が変わる現象は、組織リモデリングと一般に呼ばれています。この現象は、胎児期では器官が発生するときに起きます。病気の組織で起きるときには、個体にとって良い方向として修復や再生が行われ、悪い方向として線維化・瘢痕化(たとえば肝硬変)が起きます。また、癌組織では、がん細胞を助ける方向に働きます。
 組織リモデリングでは、組織を構成する細胞と細胞の間で双方向性のシグナル伝達が行われ、細胞が移動と増殖を行い、組織がその形を変えることにより、新しい組織構造が作られます。
 この相互シグナル、細胞の移動、増殖を担っているサイトカインや細胞外マトリックス蛋白、および細胞外マトリックスを分解するタンパク分解酵素の組織内発現を解析し、どのような機構が組織構築をどのようにして変えるのかを検討し、この機構を促進、抑制する手段を見つけ、診断・治療への応用を研究しています。

【指導内容】

 ヒト組織構造の知識を基盤として、病変臓器の変化およびそこでのこれら蛋白やそのmRNAの組織切片上での発現を解析すると伴に、遺伝子および蛋白発現を生化学的に解析します。また、遺伝子改変動物、疾患モデル動物を作成し、同様の手法を用い解析します。
 さらには、これら蛋白機能の相互連関をよりはっきりとするために、培養細胞を用いてin vitro(硝子の器の中という意味)で再構成し、遺伝子工学・生化学的手法を加えて、生体内で起きている現象を解析します。
 これらを通じて、分子から個体の各レベルまでを総括的に扱え、ヒトの疾患をさまざまな手法を用いて研究できるように、実験実習を中心に指導します。


● 医師免許を取得されている方は、4年間の病理診断のトレーニングを並行して行うことにより、日本病理学会専門医の受験資格が得られます。


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