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病 理 学 (Pathology)

担当教員

総論授業 吉田利通   組織実習 白石泰三   各論授業 病理学I・II教員

教育目標・内容

 病理学は基礎科学と臨床医学の架け橋であり、病因論、病原論、病態論(病態生理)の正しい理解がなければ、学生にとって臨床医学は症状や経験論的な治療を暗記するだけになってしまいます。臨床医学を科学的に理解できる能力は、そのために必要な基礎医学の組織的でかつ体系的な学習によって習得でき、その体系化を行うのが病理学の講義です。
総論の授業からの学生の到達目標は、医学書を読んで書いてあることが理解できる、医学用語(特に病理学用語)の概念を理解しそれを適切に使える、病気とその基盤となる組織・細胞・分子レベルでの現象を結びつけて考えられる、の3点です。
病理組織実習の学生の到達目標は、病理診断の手法を学ぶ、組織内の病変の探し方を獲得する、病理組織の自己学習の基盤をつくる、の3点です。
各論の授業からの学生の到達目標は、各臓器での基本的な病態(たとえば肝不全、腎不全など)を理解する、各臓器で生じる疾患のあらましを知る、臓器内およびその外で生じる病態の連関を理解する、の3点です。

授業日程

 2年生後期に病理学総論の講義を行う。組織実習はその後に行う。
 病理各論については、チュートリアル期間内のモジュールにあわせて計画された講義として行う。病理組織の学習については、チュートリアル期間内の配布される組織画像を学習する。さらには、WebPathなどの自己学習教材を用いて、学習することが望ましい。

講義内容

病理学総論

1.細胞傷害・細胞死と適応 
2.急性・慢性炎症
3.修復:細胞の再生、線維化と創傷治癒
4.血液・循環の異常とショック
5.免疫系の疾患 (自己免疫疾患)
6.腫瘍

病理組織実習

Virtual slideを用いて、実習を行う。

病理学各論

7.遺伝性疾患、先天性・小児疾患(含む奇形)
8.環境と疾患(栄養性疾患を中心に。)
9.感染症病理学
10.血管系の疾患
11.心臓
12.造血およびリンパ組織
13.呼吸器系
14.腎臓・泌尿器
15.消化管(上部と下部にわけて行う)
16.肝臓
17.胆道系と膵臓(膵臓は内分泌系と外分泌系にわけて行う)
18.男性生殖器
19.女性生殖器
20.内分泌(除く糖尿病)
21.筋肉・骨格系
22.神経系
について、チュートリアル期間内のモジュールのテーマにあわせて行う。

試験・成績評価

・ 病理学総論の試験は、授業終了後に行う。本は持ち込みを許可する。60%を合格基準とし、再試は一回とする。
・ 病理組織学実習はレポートの提出で合否を判定する。再提出は一回とする。
・ 病理学各論の講義の試験は、チュートリアルのモジュール試験の中に、随時出題される。組織の自己学習の成果についても、同試験内で随時試される。

指定図書、参考図書

・ Kumar, Cotran, Robbins: Basic Pathology (8 th ed.)(ロビンス基礎病理学第7版)
・ 総論については要約のプリントを配布する。各論についても、同じ本に沿って授業を行う。
・ 組織実習および自己学習のために、アトラスをひとつ購入することが望ましい。推薦する教科書としては、アンダーソン病理学カラーアトラスなどがある。

連絡先、オフィスアワー

2010年から探索医科学研究棟(旧管理棟)の3階です。
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新医学専攻コース・研究室研修

学生のうちに、学会発表や論文作成をしてみたかったら一度訪ねてきてください。 研究業績の英文論文の著者の中にもたくさんの先輩の名前が入っています。 下線がはいっているのがそうです。

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