今週の画像



  1.患者の頭蓋骨のX線写真:典型的なPunched out lesionで、斑状のX線の透過が増した領域ができる。腫瘍細胞の増殖による骨破壊と破骨細胞の活性化による。

2.患者血清のセルロース・アセテート電気泳動:左が+極、右が−極。通常、この向きにセルロースアセテート電気泳動は示される。アルブミンピークが、γ-グロブリンピークより、低いのは検査データのとうりです。γ−グロブリンピークが正常の電気泳動パターンに比べ、シャープなのに注目。

3.4.患者骨髄像(ギムザ染色):多発性骨髄腫は形質細胞腫です。この骨髄像の腫瘍細胞は、形質細胞の特徴を残しており、核の偏在、細胞質の好塩基性の増加(つまりギムザ染色では明るい青に染まる)、核周囲の明るい部分(核周囲明庭)がみられる。なぜ、この様な細胞形態をとるのかは、組織学の本を見ておいて下さい。腫瘍性格を示すわかりやすい所見としては、核小体が大型化し、複数見られる(ギムザ染色では、核小体は核の中で染色性の低い、つまり抜けて見える。)ことです。

組織や血液像がわかるためには、本を読みながら同じ像を何度も見ることです。医学実習のリンクに名古屋大学の血液アトラスのホームページがありますので御利用下さい。


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