

平成7年度に三重大学医学部附属病院に周産母子センター設置が認められ、平成9年4月から本格的な稼動に入って10年余りが経過しました。
本センターは、周産期において取り扱う母体、胎児、新生児の診療に関係する産科、小児科、小児外科、胸部心臓外科、脳神経外科、眼科、耳鼻科がそれぞれの診療科の枠を越えて協力することにより、母体、児の双方に一貫した集学的治療を提供することを目的として設置されました。
また合併症母体に基づく胎児・新生児異常や他院にて出生後経過が異常な新生児の搬送を受け入れ、さらに出生前診断に基づいた胎児・新生児の管理も行っています。この際、県下においてNICUを有する基幹病院(市立四日市病院、三重県立総合医療センター、三重中央医療センター、山田赤十字病院)と連携し、相互のサポート体制をとっています。このように三重県全体の産科・小児科の協力および診療所-病院間、病院-病院間連携により三重県の周産期死亡率を全国で3番目に低くすることができた大きな原因であると考えています。
さらに大学病院は、三重中央医療センターと協力し、周産期医学の向上のため臨床および基礎研究に貢献する使命も担っています。
最近5年間で各部門の診療内容、研究体制が格段に充実しています。産科では、これまでのハイリスク母体の管理に加え、胎児エコー診断に基づく疾患児の母体搬送が増加し、小児科では重度先天性心疾患症例が、小児外科においては、胸部疾患や消化管・泌尿器疾患など症例数が増加しています。
たとえば周産母子センターにおいて、産科による出生前診断による胎児異常が発見されたとき、小児循環器・胸部外科との緊密な連携が実現しています。また外科疾患の場合は、産科、小児科、小児外科にとどまらず、脳神経外科、眼科・耳鼻咽喉科との間の情報交換や協力態勢が緊密に行われ、集学的医療が提供されています。これらの胎児・新生児医療は三重県において当センターでのみ行えることであり、三重県内の周産期診療ネットワークにおいて特徴ある役割を担っています。また母体に対する各専門医による出生前訪問やスタッフによる母体の精神的サポートにも留意し医療にあたっています。
このように、本センターにおける各科周産期チームの診療内容がさらに充実し、母体、胎児から新生児を一貫して診療する体制を実現しています。