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からだに優しい低侵襲治療


アブレーション(ラジオ波・クライオ)治療

アブレーション治療には、腫瘍組織を凝固してしまうラジオ波凝固療法と、凍らせて細胞を殺す凍結療法(クライオ療法)があります。IVR科に依頼して行なっていますが、両治療とも良好な成績を挙げています。腎癌治療の原則は手術であり、特に小径腎癌においては近年、腎機能温存を目的とした腎部分切除術が推奨されるようになってきております。しかし、埋没型腫瘍や腎門部に接する腫瘍に対しては、腎部分切除術は技術的に困難な場合があります。また、腎癌患者の多くは高齢で全身麻酔や手術のリスクが高く、腹腔鏡下手術すら困難な症例も少なくありません。近年注目されているアブレーション療法は腫瘍に治療用針を直接穿刺して壊死させる治療法であり、本邦では腎癌に対して凍結治療(Cryoablation)とラジオ波凝固療法(Radiofrequency ablation、以下RFA)の2つが行われています。アブレーション療法の利点は、全身麻酔や手術のリスクが高い患者に対してもQOLを損なうことなく治療を行うことができ、しかも腎機能温存にも優れる点です。


治療装置


ラジオ波凝固療法

ラジオ波凝固療法とは、細い電極針を腫瘍内に刺して電磁波を流すことで組織内の温度を上げ、腫瘍を凝固し壊死させる治療法です。熱の発生の原理は電子レンジと同様なものです。治療は、安全のためCTを行いながら経皮的に治療しているため全身麻酔で行う必要はなく、局所麻酔下あるいは静脈麻酔下で行えます。他の重篤な合併症がある患者さんで、全身麻酔を行うことが困難な患者さんにも行うことができるので、本当の意味で低侵襲な治療法と言えます。肝がんをはじめ色々な臓器腫瘍の治療に用いられてきていますが、泌尿器科領域では、1996年に初めて腎がんに対して行なわれ、近年、この治療法の有用性が相次いで報告されてきています。まだ治療開始からそれ程、年数がたっていないので、長期成績はでていませんが、短期・中期成績は手術による治療と遜色ありません。当施設では、特に小さな腫瘍に対しては手技的にはほぼ100%成功しており、重篤な合併症があったり、腎機能が悪いような高リスクな方、あるいは高齢者の方の腎がん患者さん100例以上に対し安全に行えており、治療成績も良好です。経皮的に行うラジオ波凝固療法の良い点は、再発が疑われた場合でも何度でも簡易に繰り返し行えることです。

CT画像

(a) 左腎がんのCT画像です。
(b) CTを見ながら電極針を腫瘍に穿刺し、ラジオ波凝固療法を施行しているところです。
(c) ラジオ波凝固療法を施行後の造影CT検査です。腫瘍が壊死していることを示す、腫瘍の造影所見が消失しています。

凍結療法

アブレーション治療は自費診療となりますが、腎がんには関しては凍結療法が、2011年後半に保険診療の適応となり、それと時を同じくして当施設にも機器が配備されました。治療方法はラジオ波凝固療法と同じように、画像を見ながら経皮的に背中から細い針を挿入して凍結しますが、全身麻酔で行う必要はなく、局所麻酔下あるいは静脈麻酔下で行えます。当施設では、ラジオ波凝固療法と同様に特に小さな腫瘍で、重篤な合併症があったり、腎機能が悪いような高リスクな方、あるいは高齢者の方を適応としていますが、短期成績ではラジオ波凝固療法と同等な効果をあげています。表1に凍結療法とラジオ波療法の比較を示します。

凍結療法とラジオ波療法の比較

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