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当科における教育・研究


基礎実験プロジェクト#1
がんの微小環境から考える去勢抵抗性前立腺がんの増殖機構の解明

私たちは、去勢抵抗性前立腺がんの根治に向けた基礎研究を進めています

 前立腺がんの治療において、根治切除が不可能な進行性前立腺がんの患者さんに対して外科的な去勢術もしくは薬物によって去勢状態をもたらす内科療法が広く行われています。しかし、これらの治療が奏功する期間は限られており、多くの患者さんは去勢抵抗性前立腺がんと呼ばれる状態となります。現在でも去勢抵抗性前立腺がんに効果的な治療法は乏しく、がんの転移を含め、臨床的に大きな問題となっています。
 私たちの研究グループでは、去勢抵抗性前立腺がんを動物実験モデルで再現し、去勢抵抗性前立腺がんの増殖を抑制する新たなストラテジー(戦略)を探りつつあります。最新の研究結果では、去勢抵抗性前立腺がん細胞の増殖にはがん細胞周囲に存在する間質細胞からの刺激が重要であることを解明し、それらの働きを阻害することが去勢抵抗性前立腺がん細胞の増殖抑制に働くことを明らかにしています。

基礎実験プロジェクト#2
前立腺がんに対して抗がん剤ドセタキセル感受性増強効果を有する既存医薬品の探索

私たちは、去勢抵抗性前立腺がんの根治に向けた基礎研究を進めています

 近年、去勢抵抗性前立腺がんに対する有効な化学療法として、ドセタキセルが広く使用されるようになってきました。ドセタキセルはがん細胞の分裂を阻害する薬剤です。実臨床において、ドセタキセルは去勢抵抗性前立腺がん患者さんのPSA値を高い確率で低下させ、生存期間も延長させることが証明されています。しかし、ドセタキセルは骨髄抑制などの副作用を伴い、治療を重ねるにつれて徐々に副作用が強くなるため、投与継続回数に限りが出てくることが課題となっています。現在のところ、ドセタキセル治療を長く継続することが生存期間の延長に役立つことは既知の事実であるため、他の薬剤よりも開始時期を遅らせることや、投与量を減量してでも投与を継続することが重要となります。
 私たちの研究グループでは、ドセタキセルの副作用により投与量を下げる場合を想定して、低用量ドセタキセル治療時に細胞増殖抑制作用を有する既存医薬品を同時投与することで高用量ドセタキセル治療と同等の細胞増殖抑制効果が得られるか否かを検討しています。

基礎実験プロジェクト#3
前立腺がん骨転移病変に対するLPA受容体拮抗薬の影響の解析

私たちは、前立腺がん骨転移病変に対する新規治療法を探っています

 前立腺がんは骨へ転移しやすく、転移を来すと骨折や痛み・神経障害を起こし、生活の質を大きく損なうこととなるため、骨転移巣に対する治療も重要となります。
 私たちの研究グループでは、がん細胞の増殖や遊走に関わり、破骨細胞の増殖を誘導するLPA(リゾホスファチジン酸)の働きに注目しています。そのため、骨転移を来した前立腺がん患者さんにLPA受容体拮抗薬を投与することで腫瘍の縮小や浸潤の抑制が確認されれば、従来のホルモン療法で困難であった前立腺がん骨転移巣の新規治療法として貢献できると考えています。

基礎実験プロジェクト#4
前立腺増殖性疾患に対する間質標的治療法の確立を目指して

私たちは、前立腺が病気にならない条件を探っています

前立腺がんの治療において、初期のがんはホルモン療法に有効性を示すものの、次第にホルモン抵抗性を有する、もしくはホルモン抵抗性を獲得したがん細胞が増殖し、再燃がんとなります。現在でも再燃がんに効果的な治療法は乏しく、がんの転移を含め、臨床的に大きな問題となっています。
現在、私たちの研究グループでは、再燃がんをin vivoの実験モデルで再現し、ホルモン抵抗性前立腺がんの増殖を抑制する新たなストラテジー(戦略)を探りつつあります。最新の研究結果では、ホルモン抵抗性がん細胞の増殖にはがん周囲にある間質細胞からの刺激が重要であることを解明し、それらの働きを阻害することがホルモン抵抗性がん細胞の増殖抑制に働くことを明らかにしています。

基礎実験プロジェクト#5
前立腺がん幹細胞ニッチ形成機構の解明

私たちは、再燃前立腺がんの根治に向けた基礎研究を進めています

 前立腺肥大症(良性)や前立腺癌(悪性)といった増殖性病変は、年齢依存的に高頻度に発生し、高齢男性の生命を脅かしたり、生活の質を著しく低下させます。両疾患の発生には、加齢に伴う体内アンドロゲン濃度の低下が示唆されているものの、明確な理由は分かっていないのが現状です。
 私たちの研究グループでは、前立腺の病気を「組織構築の変化」という視点から観察し、病気になった前立腺には、正常前立腺に豊富に存在する平滑筋細胞が失われていることに注目しています。まず、基礎実験レベルで人為的に平滑筋細胞を作り出すことを目標にしていますが、最終的には病気の発生が平滑筋細胞の消失に関係しているか否かを動物実験で検証しています。

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