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当科における特色ある診療


光力学診断(PDD)併用経尿道的膀胱腫瘍切除術について

 膀胱粘膜の表層のみに存在する、いわゆる表在性膀胱癌の治療は主に経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)が行われていますが、膀胱内に再発を高頻度にきたすことが問題となっています。膀胱内再発を来した場合、その都度、入院し手術を受けて頂くことになるため、患者さんにとっては身体的・精神的・経済的な負担を強いられます。膀胱内再発をきたし易い原因の一つとして、手術治療中に、通常の内視鏡では確認困難な小さな病変や平坦な病変を見逃してしまい、残った腫瘍が大きくなり再発することが指摘されています。高い膀胱内再発率を少しでも抑制しようと試みられているのが本技術です。

 光力学診断(PDD)とは光感受性物質が蛍光内視鏡によって蛍光発色する原理を利用したものを言います。アミノレブリン酸(5-ALA)という物質の溶解液を患者さんに内服して頂くと、体内の正常な細胞ではヘム(血液の原料)に代謝されますが、癌細胞ではヘムまで代謝されずにその中間産物であるprotoporphyrinIX (PpIX)という物質で蓄積しています。このPpIXという物質に青色の光を当てると、赤色に蛍光発色するという特徴があるため、それを利用することにより癌細胞と正常細胞の区別がつき易くなり、より正確に癌を切除できるようになるのです(下図参照)。


光力学診断の原理


実際の膀胱鏡所見を下に示します。通常の膀胱鏡(左)では、分かりにくい腫瘍がPDDを併用すると右写真の矢印のように赤く明確に認められようになります。


膀胱鏡所見

 PDDを用いたTUR-BTは欧州では医療承認されていますが、本邦では保険適応となっておらず、高度医療として限られた施設で行われているのみです。副作用としては光過敏症や、軽度の肝機能障害などがありますが、現在までに重篤な副作用の報告はありません。
 当科でもこの度、高度医療として本治療を施行することが認可されましたので、通常の保険診療分に加えて自費負担をして頂ければ本治療を受けて頂くことが可能になりました(自費負担分は40,000円です)。

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