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前立腺肥大症

前立腺とは?

「前立腺」は、男性のみに存在する臓器で、精液の一部を産生しています。その大きさは通常クルミほどの大きさ(15~20g程度)で、膀胱から尿を排出する尿道の周囲に存在しています。個人差はありますが、加齢(年をとること)により、徐々に体積が大きくなる傾向があります。

前立腺の3大疾患
前立腺肥大症
「前立腺がんの診断と治療 2008年度版」より改変

前立腺肥大症とは?

前立腺が大きくなることが原因で、尿が出にくくなったり(排尿障害)、夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)といった自覚症状が出現した状態を「前立腺肥大症」と呼びます。
「前立腺癌」とは異なり、症状を放置しても直ちに生命に関わることはありませんが、「生活の質」を落とし、また症状が進行・増悪することが多いので、症状に応じた治療を要します。
ある調査によれば、前立腺肥大症の有病率は、50歳代で2%、60歳代で6%、70歳代で12%と報告されています。

前立腺肥大症の治療には、大きく分けて内服療法と手術療法があります。

肥大腺腫

前立腺肥大症の治療(内服療法)

内服療法の利点は、即効性があり、副作用が少ないことですが、定期通院が必要で、肥大症の進行により、徐々に薬が効きにくくなることもあります。内服薬は症状を和らげることが主な役目ですので、肥大した前立腺をもとの状態に戻す、というものではありません。近年、前立腺体積を減らす作用のある内服薬(5α還元酵素阻害剤)も承認されましたが、体積の減少は30%程度で、内服を止めると、元の大きさに戻ってしまいます。

前立腺肥大症の治療(手術療法)

内服療法で十分な効果が得られない場合や、或いは根本的に、以前のような、またはそれに近い排尿状態に戻すための手段として、手術療法があります。
現在、前立腺肥大症に対する手術には、内視鏡的に電気メスで前立腺組織を切除する方法(TUR-P)と、レーザーを用いた手術があります。ここで紹介する「PVP」は、レーザーを前立腺に照射し、肥大した組織を溶かす方法(「蒸散術」といいます)の1つです。

従来の前立腺肥大症の内視鏡手術(TUR-P)

電気メスでの切除(TUR-P)は現在、最も一般的な前立腺肥大症の手術法です。排尿状態は改善しますが、術中の出血により、輸血を要する場合があります(10%程度)。また、心臓が悪い方や前立腺が著しく大きい方は、手術できない場合があります。一般に、1週間から10日程度の入院が必要です。

新しい前立腺肥大症の内視鏡手術(PVP)

近年、米国のAmerican Medical System社が、新しい高出力のレーザーを応用した手術機器を開発し、これを用いた前立腺肥大症に対する手術(PVPといいます)が欧米や韓国などで急速に広がりました。2012年3月に三重大学にも、この機器が導入され、より安全な前立腺肥大症治療が施行可能となりました。

前立腺レーザー手術(PVP)

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