講演会・セミナー

大学院講義・講演会・セミナーはこちら

https://www.med.mie-u.ac.jp/dr_seimei/education/seminar.html

開催予定

第8回 三重大学医学研究フォーラム

医学系研究科における分野横断的な研究フォーラムの第8回開催のお知らせです。今回は麻酔集中治療学講師の澤田博文先生に肺高血圧に関する最先端のご研究を発表していただきます。本セミナーは大学院セミナーに登録されます。出席認定サインのご希望、フォーラムに関するご意見、発表ご希望は野阪までお願いいたします。フォーラムは次回より隔月で第3水曜日の18-19時、zoomで行います(第9回は2月16日、演者は未定です)。皆様の積極的なご参加、ご発言をお待ちいたしております。本学医学部の皆様にはすでにご案内はすみです。医学部以外や学外からの視聴をご希望の方にはこちらからzoomのlinlk先、meeting IDとpasswordをお送りいたします。

皆様の積極的なご参加、ご発言をお待ちいたしております。

日時 令和3年12月15日(水) 18:00-19:00
場所 zoomにて開催
内容

演者 麻酔集中治療学 講師 澤田博文 先生
演題 「肺高血圧の閉塞性肺血管病変退縮に向けた実験的アプローチ
    トランスクリプトーム解析とゲノム編集ラットの利用」
要旨

【背景】肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary arterial hypertension: PAH)は、骨形成因子受容体2型(BMPR2)変異や膠原病、先天性心疾患、さらに抗癌化学療法などにも関連して発症し、閉塞性血管病変による肺血管抵抗、肺動脈圧の上昇と右室不全を特徴とする進行性の致死的疾患である。現在、Prostaglandin I2、Endothelin受容体拮抗薬、PDEtype5阻害薬などを用いたPAH標的治療により、PAHによる右室不全患者の機能は改善されるが、生存率は依然として低い。現行PAH標的治療薬は、臨床的な有益性が示される一方、肺病変の治癒寛解を見込める治療法ではなく、新たな治療標的の開発が必要である。【目的】PAH血管病変の新たな治療標的候補の開発。【方法】 ①ヒトPAHの血管病変の病理について。②PAH動物モデルのトランスクリプトーム解析を用いた、新生内膜形成の機序と薬剤耐性に関わる機序の検討。③ゲノム編集ラットを用いたPAH病態解析【結果】①ヒトPAH閉塞性血管病変ではαsmooth-muscle陽性細胞の増殖が見られるが、細胞の起源は未解明である。②病変の異なるPAH動物モデルのトランスクリプトーム解析からラットPAHモデルの閉塞血管新生内膜で発現亢進する分子を同定した。③トランスクリプトーム解析から同定した治療耐性に関わる炎症分子のシグナルを減弱させた肺高血圧モデルラットでは、血管病変形成が抑制された。また疾患責任遺伝子BMPR2変異を導入したラットでは生存率が低下し、肺血管病変と右室心筋繊維化の促進と関連した。【結語】肺高血圧の血管病変退縮に向けた研究グループの最近の研究を紹介する。学内の異領域の方々からもご意見を頂戴できましたら幸いです。

お問い合わせ先 感染症制御医学・分子遺伝学 秘書 大塚咲子
micro@doc.medic.mie-u.ac.jp