専攻長あいさつ

 三重大学における看護学の大学院教育は、平成14年に医学系研究科に看護学専攻修士課程が設置された時から始まり、平成28年に看護学専攻博士後期課程が設置されて、三重大学に学士課程と博士前期課程・後期課程という看護学の学問体系が整いました。三重県における看護の研究・教育・実践の発展と連携の拠点となり、看護学の発展に寄与することを目指しています。
 看護学専攻博士前期課程では、看護ケア・看護教育・看護システムの改善において指導性を発揮できる看護専門職者、あるいは専門知識・技術を備え、科学的判断・論理的思考に基づく看護介入が出来る高度実践看護師を育成しています。履修方法によって、修士論文コース、高度実践看護師(専門看護師:CNS)コース、看護教育学上級実践者(CNE)コースの3つがあります。現在、CNSコースにはがん看護と老年看護の2コースがありますが、令和6年度には小児看護と精神看護の2コースが新たに開講予定です。また、地域医療構想の実現や地域包括ケアシステムの推進に向け、令和5年度から在宅看護学分野を新設いたしました。
 看護学専攻博士後期課程では、看護学の専門分野からの研究課題を深く掘り下げ、他の看護学分野や他の学問領域等と協働しながら自立して研究を遂行し、独自性豊かで地域に役立つ看護学研究成果を生み出す「俯瞰的視野」を持った人材を育成します。平成31年3月に博士後期課程の修了生第1号を送り出し、設置から7年目を迎える令和5年3月までに6名が看護学博士号を取得し、臨床現場での指導者や研究者として活躍しています。
 県内外の保健・医療・福祉の領域で働く看護職の皆様が、各々の現場で経験した課題や疑問について「三重大学の大学院で研究したい」と思って入学していただき、学修成果を臨床および教育の現場に還元するとともに、さらに高度な専門人材として活躍していただけるよう、看護学専攻の教員が一丸となって教育に取り組んでいきます。大学院での生活を通して研究並びに教育の楽しさを享受していただくことを期待しております。


令和5年5月
医学系研究科看護学専攻 専攻長  桝屋正浩

 
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