肝移植について

肝移植は回復の見込みのない肝臓病により生命の危機に瀕している患者さんに対する根治的な治療法です。手術により病気の肝臓を取り出し、新たな肝臓を植えるという治療法です。肝移植の対象となる病気には以下のようなものがあります。

急性肝不全肝炎ウイルスや薬剤などによる急激な肝機能低下
非代償性肝硬変肝炎ウイルスやアルコールなどによる慢性的な肝不全
胆道系疾患胆道閉鎖症、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎
先天性代謝性疾患各種の先天性代謝性疾患 (小児)
悪性腫瘍肝細胞がん、肝芽腫など

肝移植の種類

肝移植には脳死肝移植と生体肝移植があります。それぞれメリット、デメリットがありますが、日本では脳死肝移植が圧倒的に少なく、多くは生体肝移植が行われています。
脳死肝移植の場合は準緊急手術となるものの、大きなサイズの肝臓が移植できるといったメリットがあります。
生体肝移植の場合は自らの意思で申し出られた方が生体ドナーとなり、ドナーの肝臓の一部を手術で切り取り、患者さん(レシピエント)に移植されます。通常、小児への肝移植の場合は肝外側区域 (肝臓全体の約2〜3割)、成人への肝移植の場合は肝右葉 (肝臓全体の約6〜7割)、もしくは左葉 (肝臓全体の約3〜4割)がグラフト肝として用いられます。
ドナー、レシピエントとも肝臓は手術後に再生しほぼ元どおり大きさになるため、ドナーの方も術後の肝機能に問題はなく、術前と同様の日常生活をおくることができます。ただし、頻度は高くないものの生体ドナーの方にも術後合併症の可能性はあり、健康な方に手術という負担をかけなければならないことが生体肝移植においての最大のデメリットです。

肝移植の種類

生体肝移植脳死肝移植
メリット ・健康な肝臓を移植
・待機手術が可能
・大きな肝臓を移植
・血管再建が比較的容易
デメリット ・生体ドナーの危険性
・ドナーは親族に限定
・グラフト肝臓が小さい
・待機時間が長い
・ドナーが少ない
・緊急手術となる

肝移植の成績

2002年3月から肝移植を開始し、2020年12月までに164例の肝移植を行っています。そのうち生体肝移植は159例で、成人130例、小児29例に行っています。また5例の脳死肝移植(成人)を行っています。
対象疾患は、小児の41%は胆道閉鎖症であり、成人は肝細胞癌36%、非代償性肝硬変32%、胆汁うっ滞性疾患20%、急性肝不全11%の順です。当科の治療成績は、全症164例の1年生存率は81.7%で、5年生存率は67.1%です。これを18歳未満の小児30例と18歳以上の成人134例でわけますと、小児例は5年生存率85.2%で、成人例では1年生存率78.3%、3年生存率68.2%、5年生存率63.1%になります。

肝移植後の生存率

三重大学 肝胆膵・移植外科 / 2002.3〜2020.12 / 164例

脳死肝移植・生体肝移植の生存率
小児の肝移植・

臓器移植センターへのお問い合わせ

レシピエント移植コーディネーター:浦和愛子
電話:059-231-5812 FAX:059-231-5541
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