• 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム

    感染症予防法で、医師からの届出対象となる感染症のリストと届け出基準

    4類感染症で全例報告のもの
    エキノコックス症


    《 定 義 》

    エキノコックス (Echinococcus) による感染症で、単包条虫(Echinococcus granulosus)と多包条虫 (Echinococcus multilocularis)の2種類がある。

    《 臨 床 的 特 徴 》

    ヒトへの感染はキツネやイヌなどから排泄された虫卵に汚染された水、食べ物、埃などを経口的に摂取した時に起こる。体内に発生した嚢胞は緩慢に増大し、周囲の臓器を圧迫する。多包虫病巣の拡大は極めてゆっくりで、肝臓の腫大、腹痛、黄疸、貧血、発熱や腹水貯留などの初期症状が現れるまで、成人では通常10年以上を要する。放置すると約半年で腹水がたまり、やがて死に至る。

    《 報告のための基準 》

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断や血清学的診断がなされたもの。

    • 病原体の検出
      例 患者から包虫の嚢胞、嚢胞壁の一部、原頭節及び鉤などが検出された場合など
    • 病原体に対する抗体の検出
      例 ELISA法及びWestern Blot 法など  


    《届出について》

    届出の対象 患者
    届出の時期 7日以内
    届出事項 氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域

    《備 考》

    なし

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