• 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム

    感染症予防法で、医師からの届出対象となる感染症のリストと届け出基準

    4類感染症で全例報告のもの
    回帰熱


    《 定 義 》

    シラミ或いはヒメダニ (Ornithodoros属:ヒメダニ属) によって媒介されるスピロヘータ(回帰熱ボレリア)感染症である。コロモジラミ媒介性Borrelia recurrentis やヒメダニ媒介性 B.duttonii 等がヒトに対する病原体である。

    《 臨 床 的 特 徴 》

    菌血症による発熱期、菌血症を起こしていない無熱期を3ないし5回程度繰り返す、いわゆる回帰熱を主訴とする。感染後5〜10日を経て菌血症による頭痛、筋肉痛、関節痛、羞明、咳などをともなう発熱、悪寒がみられる(発熱期)。またこのとき点状出血、紫斑、結膜炎、肝臓や脾臓の腫大、黄疸もみられる。発熱期は3〜7日続いた後、一旦解熱する(無熱期)。無熱期では血中から菌は検出されない。発汗、倦怠感、時に低血圧や斑状丘疹をみることもある。この後5〜7日後再び発熱期にはいる。

    上記症状以外で肝炎、心筋炎、脳出血、脾破裂、大葉性肺炎などがみられる場合もある。


    《 報告のための基準 》

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断がなされたもの。
    • 病原体の検出
      例 発熱期の血液からの分離培養暗視野顕微鏡下鏡検での病原体の確認など
    • 病原体の抗原の検出
      例 スメアの観察(蛍光抗体法)など

    《届出について》

    届出の対象 患者
    届出の時期 7日以内
    届出事項 氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域

    《備 考》

    なし

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