• 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム

    感染症予防法で、医師からの届出対象となる感染症のリストと届け出基準

    4類感染症で全例報告のもの
    クリプトスポリジウム症


    《 定 義 》

    クリプトスポリジウム属原虫(Cryptosporidium spp.)のオーシストを経口接種することによる感染症である。

    《 臨 床 的 特 徴 》

    潜伏期は4〜5日ないし10日程度と考えられ、無症状のものから、食思不振、嘔吐、腹痛、下痢(水様性下痢や粘血便)などを呈するものまで様々である。患者の免疫力が正常であれば通常は数日間で自然治癒するが、エイズなどの各種の免疫不全者には重篤な感染を起こすことがあり、1日に3〜5リットル、時に10リットルをこえる下痢によって脱水死することもある。

    《 報告のための基準 》

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断がなされたもの。
    • 病原体の検出
      例 糞便などからの鏡検による原虫(オーシスト)の証明など

    《届出について》

    届出の対象 患者
    届出の時期 7日以内
    届出事項 氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域

    《備 考》

    世界的に広く分布し、本原虫による水道水の汚染が問題となっている。また、米国等ではエイズ患者の重篤な合併症として注目されている。

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