• 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム

    感染症予防法で、医師からの届出対象となる感染症のリストと届け出基準

    4類感染症で全例報告のもの
    腎症候性出血熱(HFRS)


    《 定 義 》

    ハンタウイルス(ブニヤウイルス科ハンタウイルス属)による熱性・腎性疾患で、極東アジアから東欧、北欧にかけて広く分布する。HFRSウイルスとも称する。

    《 臨 床 的 特 徴 》

    ネズミに咬まれたり、排泄物(エアロゾルの吸入を含む)に接触することによりヒトにウイルスが伝播する。このウイルスはヒトに感染すると状況により重篤な全身感染、あるいは腎疾患を生じ、以下の型が知られている。

    • 重症アジア型
      ドブネズミ、高麗セスジネズミが媒介する。潜伏期間は10〜30日で、発熱で始まる有熱期、低血圧 期(ショック)(4〜10日)、乏尿期(8〜13日)、利尿期(10〜28日)、回復期に分けられる。
      全身皮膚に点状出血斑が出ることがある。発症から死亡までの時間は4〜28日で尿素窒素は50〜300mgに達する。常時高度の蛋白尿、血尿を伴う。
    • 軽症スカンジナビア型
      ヤチネズミによる。ごく軽度の発熱、蛋白尿、血尿がみられるのみで、きわめてまれに重症化する。

    《 報告のための基準 》

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断や血清学的診断がなされたもの

    • 病原体の検出
      例 急性期の血液、尿からのウイルスの分離など
    • 病原体の遺伝子の検出
      例 PCR法など
    • 病原体に対する抗体の検出
      例 血清抗体の検出(ELISA、免疫蛍光法)など

    《届出について》

    届出の対象 患者
    届出の時期 7日以内
    届出事項 氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域

    《備 考》

    なし

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