• 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム

    感染症予防法で、医師からの届出対象となる感染症のリストと届け出基準

    4類感染症で全例報告のもの
    先天性風疹症候群


    《 定 義 》

    風疹ウイルスの経胎盤感染によって起こる先天異常である。

    《 臨 床 的 特 徴 》

    先天異常の発生は妊娠週齢と明らかに相関し、妊娠12週までの妊娠初期の初感染に最も多くみられ、20週を過ぎるとほとんどなくなる。三徴は、難聴、白内障、動脈管開存症であるが、その他知能障害、小頭症、緑内障、角膜混濁、脈絡網膜炎、小眼球、斜視、心室中隔欠損症などを来しうる。

    《 報告のための基準 》

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の1)と2)の基準を両方とも満たすもの

    1. 臨床症状による基準
      「Aから2項目以上」または「Aから1つと、Bから2つ以上」若しくは「Aの先天性心疾患または感音性難聴と、B網膜症」
      A
      • 先天性白内障、または緑内症
      • 先天性心疾患(動脈管開存、肺動脈狭窄、心室中隔欠損、心房中隔欠損など)
      • 感音性難聴

      B.
      • 網膜症
      • 骨端発育障害(X線診断によるもの)
      • 低出生時体重
      • 血小板減少性紫斑病(新生児期のもの)
      • 肝脾腫
    2. 病原体診断等による基準
      以下のいずれかの一つを満たし、出生後の風疹感染を除外できるもの
      1. 風疹ウイルスの分離陽性、またはウイルス遺伝子の検出 例、RT-PCR法など
      2. 血清中に風疹特異的IgM抗体の存在
      3. .血清中の風疹HI価が移行抗体の推移から予想される値を高く越えて持続。(出生児の風疹HI価が、月あたり1/2の低下率で低下していない。)

    《届出について》

    届出の対象 患者
    届出の時期 7日以内
    届出事項 氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域

    《備 考》

    咽頭培養陽性となっても、この菌による感染症とは断定できない(健康者の2〜4%の鼻咽腔に存在)。主としてA、B、C血清群によって起こされる。

  • 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム
  • お問い合わせは
    E-mail:s-kenko@mo.medic.mie-u.ac.jp

    なお、三重大学医学部の公式サーバーは、http://official.medic.mie-u.ac.jpです。