《 定 義 》 |
風疹ウイルスの経胎盤感染によって起こる先天異常である。
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《 臨 床 的 特 徴 》 |
先天異常の発生は妊娠週齢と明らかに相関し、妊娠12週までの妊娠初期の初感染に最も多くみられ、20週を過ぎるとほとんどなくなる。三徴は、難聴、白内障、動脈管開存症であるが、その他知能障害、小頭症、緑内障、角膜混濁、脈絡網膜炎、小眼球、斜視、心室中隔欠損症などを来しうる。
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《 報告のための基準 》 |
診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の1)と2)の基準を両方とも満たすもの
- 臨床症状による基準
「Aから2項目以上」または「Aから1つと、Bから2つ以上」若しくは「Aの先天性心疾患または感音性難聴と、B網膜症」
A
- 先天性白内障、または緑内症
- 先天性心疾患(動脈管開存、肺動脈狭窄、心室中隔欠損、心房中隔欠損など)
- 感音性難聴
B.
- 網膜症
- 骨端発育障害(X線診断によるもの)
- 低出生時体重
- 血小板減少性紫斑病(新生児期のもの)
- 肝脾腫
- 病原体診断等による基準
以下のいずれかの一つを満たし、出生後の風疹感染を除外できるもの
- 風疹ウイルスの分離陽性、またはウイルス遺伝子の検出 例、RT-PCR法など
- 血清中に風疹特異的IgM抗体の存在
- .血清中の風疹HI価が移行抗体の推移から予想される値を高く越えて持続。(出生児の風疹HI価が、月あたり1/2の低下率で低下していない。)
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《届出について》 |
届出の対象
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患者 |
届出の時期
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7日以内 |
届出事項
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氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域 |
《備 考》 |
咽頭培養陽性となっても、この菌による感染症とは断定できない(健康者の2〜4%の鼻咽腔に存在)。主としてA、B、C血清群によって起こされる。
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