• 三重大学医学部附属病院 感染対策チーム

    感染症予防法で、医師からの届出対象となる感染症のリストと届け出基準

    4類感染症で全例報告のもの
    バンコマイシン耐性腸球菌感染症


    《 定 義 》

    バンコマイシン耐性遺伝子(vanA, vanBなど)を保有する腸球菌(VRE)による感染症である。

    《 臨 床 的 特 徴 》

    主に悪性疾患などの基礎疾患を有する易感染状態の患者において、日和見感染症や術後感染症、カテー テル性敗血症(line sepsis)などを引き起こす。発熱やショックなどの症状を呈し、死亡することもある。

    《 報告のための基準 》

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断がなされたもの
    1. vanA, vanB型
      病原体の検出
      血液、腹水、胸水、髄液など通常は無菌的であるべき臨床検体から分離された菌(当面は、便や尿から分離されるなど定着例が疑われるものを含む)で、以下の検査室での判断基準を満たすもの
      バンコマイシン(VCM)のMIC値が≧16μg/ml、
      あるいは分離菌におけるvanA、vanB遺伝子の検出

      なお、バンコマイシンに生来耐性を示すLactobacillus、Pediococcus、 Leuconostoc、Lactococcusなどとの鑑別が必要である。

    2. vanC型
      報告対象
      血液、腹水、胸水、髄液など通常は無菌的であるべき臨床検体から分離された菌であって、vanC型遺伝子が検出されたもの

    《届出について》

    届出の対象 患者
    届出の時期 7日以内
    届出事項 氏名・性別・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域

    《備 考》

    なし

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