《 定 義 》
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腸チフスはチフス菌(Salmonella serovar Typhi )の感染による全身性疾患である。 |
《 臨 床 的 特 徴 》
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腸チフスの潜伏期間は7〜14日で発熱を伴って発症する。患者、保菌者の糞便と尿が感染源となる。39℃を超える高熱が1週間以上も続き、比較的徐脈、バラ疹、脾腫、下痢などの症状を呈し、腸出血、腸穿孔を起こすこともある。重症例では意識障害や難聴が起きることもある。健康保菌者はほとんどが胆嚢内保菌者であり、胆石保有者や慢性胆嚢炎に合併することが多く、永続保菌者となることが多い。 |
《 報告のための基準 》
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診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の方法によって病原体診断がなされたもの。
(材料)末梢血、骨髄液、便、尿、胆汁等
- 病原体の検出
チフス菌の分離・培養
- 疑似症の診断
臨床所見、腸チフス流行地への渡航歴、集団発生の状況などにより判断する
(鑑別診断)マラリア、デング熱、A型肝炎、つつが虫病など
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《届出について》
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届出の対象 |
患者・疑似症患者・無症状病原体保有者(キャリア) |
届出の時期 |
直ちに |
届出事項 |
氏名・年齢・性別・職業・住所・所在地・病名・症状・診断方法・初診年月日・診断年月日・推定感染年月日・感染原因・感染経路・感染地域・その他(保護者の住所・氏名) |
《備 考》
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- 法による入院の勧告は、無症状のものは対象とならない。
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