Infection Control News
第25号
2005.12.21 発行
三重大学医学部附属病院 感染対策チーム(ICT)
1.インフルエンザワクチン接種
インフルエンザワクチンに関して、診療科などへの配布は11月28日・29日の両日に約850名分を、ICT委員による接種は12月1日・2日に約200名実施しました。
【昨年度の当院におけるインフルエンザ検査状況】
鳥インフルエンザや新型インフルエンザに関するニュースが連日報道され、厚生労働省からも「新型インフルエンザ対策報告書」が出されています。
《発生時の状況により対応するもので、6つの状況が定められている》
(A)
国内外友に、鳥インフルエンザウイルスや新型インフルエンザウイルスによる感染被害が発生していない状態(平常時)
(B)
海外において高病原性鳥インフルエンザウイルス家禽等への被害又は鳥インフルエンザのヒトへの感染被害が発生している状態
(C)
国内において高病原性鳥インフルエンザウイルスの家禽等への感染被害又は鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染被害が発生している状態
(D)
海外において新型インフルエンザウイルスのヒトへの感染被害が発生している状態(ウイルス型の検索で新型インフルエンザウイルスである事が確認できない段階において、種々の疫学的条件から新型インフルエンザウイルスである事が疑われる場合を含む。)
(E)
国内において新型インフルエンザウイルスのヒトへの感染被害が少数・現局的に発生している状態(ウイルス型の検索で新型インフルエンザウイルスである事が確認できない段階において、種々の疫学的条件から新型インフルエンザウイルスである事が疑われる場合を含む。)
(F)
国内において新型インフルエンザウイルスのヒトへの感染被害が拡大している状態
各状況における対応方針は厚生労働省のホームページを参照してください。
2.第7回国立大学附属病院感染対策協議会報告事項
平成17年11月24日・25日に弘前大学医学附属病院が当番校として実施されました。
特別講演は厚生労働省医政局指導課主査 溝口達弘氏より「院内感染対策の動向」と題して、医療法など法令と関連させて感染対策の重要性が話されました。事務局からは、今年度から開始された感染管理における相互チェックやニュースレター発行などが報告されました。各作業部会からの報告とテーマ別研修「感染対策とインフォームドコンセント」・「院内感染アウトブレイクへの対応」・「国産エビデンス収集プロジェクト」がありました。
国立大学統一サーベイランスの結果
実施期間:平成17年7月1日〜9月30日
実施対象部署:脳神経外科及び神経内科
*脳神経外科感染集計
延べ患者数
79,894
延べカテーテル日数
16,657
感染患者数
70
カテーテル使用患者数
2,133
リスク調整感染率
4.20
器具使用比
0.21
*神経内科感染集計
延べ患者数
67,759
延べカテーテル日数
8,211
感染患者数
63
カテーテル使用患者数
509
リスク調整感染率
7.67
器具使用比
0.12
検出菌の結果
Pseudomonas aeruginosa (20.7%) Escherichia coli (15.5%) Enterococcus faecalis (13.8%)この3菌種で約50%を占めた。
総括:
施設によって、尿培養の頻度の差があり、サーベイランス精度の一定化が必要である。
尿道留置カテーテルは可及的早期に抜去するという基本に立った医療を展開する。
尿道カテーテル留置患者のカテーテルや尿の取り扱いには標準予防策(患者毎の手袋交換及び手洗い)遵守が必要である。
三重大学医学部附属病院感染対策チーム
三重県津市江戸橋2-174
E-mail: s-kenko@mo.medic.mie-u.ac.jp
なお、三重大学医学部の公式サーバーは、
http://official.medic.mie-u.ac.jp
です。