オープンシステムについて

オープンシステムとは

お産は多くの場合、正常に経過して元気な赤ちゃんが産まれ、お母さんも正常に回復していきます。
しかし、中には妊娠中やお産の最中に赤ちゃんやお母さんに突然異常な事態が発生することもあります。
また、持病があったり、妊娠経過に異常があるハイリスク妊娠では、妊娠中や分娩時に赤ちゃんだけでなくお母さんにも危険が伴うことがあります。

医療施設の機能別役割分担を明確にし、リスクに応じた妊婦さんの分散のため、2004年厚生労働科学研究班で新しい「妊娠リスクスコア」が作成されました。

三重大学医学部附属病院では、より安全なお産を提供するために、妊婦健診は近くの診療所で受けていただき、分娩は産科、小児科、新生児集中治療室(NICU)、内科や外科などの設備、スタッフの充実した大学病院で行っていただけるシステムを採用しています。これが、それぞれの医療機関の特性を生かした産科オープンシステムです。

オープンシステムにはつぎの2種類があります。

オープンシステム

妊婦健診は診療所で受診、分娩の際は大学病院に入院し、
診療所の医師が大学病院に来て分娩を行います。

セミオープンシステム

妊娠36週までは妊婦健診は診療所で受診し以降は大学病院で受診。
分娩の際は大学病院に入院し、大学病院の医師が分娩を扱います。

どちらのシステムを採用しているかは、かかりつけの病院・医院によって違います。
また、オープンシステムを採用している医師でもセミオープンシステムにも対応可能です。
かかりつけの医師とよく相談して決めてください。

オープンシステムのメリット

  • 妊婦健診は近くの病院・診療所でかかりつけの医師によって手軽に受けることができます。
  • オープンシステムに登録している診療所なら、オープンシステムでの分娩を登録して頂くことにより、
    分娩も診療所の医師に立ち会ってもらうことができます。また、入院中の診療を受けることも可能です。
  • 設備やスタッフの揃った大学病院で分娩することにより、分娩時に何か起こった場合も各科の医師が対応できるので安心です。
  • 妊娠中・産後も紹介元の先生だけでなく、必要に応じて大学病院も受診できるので便利です。

オープンシステム分娩登録の流れ

オープンシステム
運営事務局

オープンシステム登録患者様データベース作成
患者様への資料一式送付

データベースの共有

⇔

オープン
システム
分娩登録

⇔

登録完了の
ご連絡

↓

お産の案内

大学病院
産科病棟

大学病院産科病棟

予約申込書

⇔

分娩連絡

診療所

かかりつけの医師が
登録予約を大学病院
へ送ります。

利用同意書

⇔

予約通知書
パンフレット

患者様

  • ・20週までに一度大学受診。
  • ・36週以降大学病院で
    健診、入院。
  • ・退院後、1ヶ月健診は
    大学病院もしくは登録医の
    診療所で。

オープンシステムの具体的内容

  1. 妊娠20週までにかかりつけの病院・医院の紹介状と予約通知書に書かれた書類一式をもって大学病院の産婦人科を受診してください。最初の受診の際は午前9時から12時の間にお越し下さい。
    外来看護師や担当医師が必要事項を説明します。
  2. 妊娠中の検査結果は、紹介元の先生に紹介状に記載していただくため、感染症に関して同じ検査を繰り返すことはありません。
  3. 一度、大学病院を受診したあとは紹介元の病院・産婦人科医院で健診を受けて下さい。
  4. 妊娠36週以降は、大学病院で健診を受けていただきます。
  5. 妊娠中に妊娠高血圧症候群、糖尿病、前期破水、胎児発育遅延などの合併症がおこった場合は、紹介元の先生と相談し、大学病院での管理になります。
  6. 分娩予約された妊婦さんが、妊娠中何か問題が生じた際には、紹介元の先生に診てもらうことも可能ですが、先生の都合が悪い時は、大学病院で診察を受けて頂けます。
  7. 大学病院の行っている母親学級をご希望の方は受講いただけますので、可能な限りご参加ください。
  8. 紹介元の先生がオープンシステムを採用されている場合は、あなたが入院されたときに連絡をしますので、分娩や帝王切開に立ち会ってもらうことができます。セミオープンシステムを採用されている場合は、大学のスタッフが責任をもって分娩のお世話をします。
  9. オープンシステムで分娩の際に紹介元の先生に立ち会ってもらうか、セミオープンシステムで大学のスタッフに委任するかは、予め紹介元の先生と相談して決めておいて下さい。
  10. 産後の一ヶ月健診は、大学病院または紹介元の先生のいずれでも受けられます。
  11. 三重大学医学部附属病院で出産される場合、オープンシステムを利用されてもされなくても、患者様にご負担頂く費用は変わりません。