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自閉症、ASD等の発達障害解明の研究を行っています。

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口角を挙げる

2014年6月28日 成田正明

 やらないといけないと思っているのだけど、なかなかできないことがあります。
“口角を挙げる”ということです。

 女性でなくても男性でも大切なことと思って、やろうやろうと思っているのですが、一人で歩いているときはムッとして歩いているのか、なかなかできません。

 「今朝駐車場で成田先生をお見かけしましたよ」とある女性。
「え、どうして声かけてくれなかったの?」と聞くと、「すっごい声かけにくい感じだったから・・・」と。
やっぱ損しているなあと思います。最近は口角挙げるグッズやトレーニング法とかもあるようですが、私は口角挙筋が退化してしまっているのか(→そういうのがあるらしい、解剖実習では見えず。今度注意して見てみたい)。

 アメリカに行ったとき、全然見知らぬ人でもお店とか駅でも目が合うと(というか目をしっかり合わせて)にっこりする習慣にはびっくりさせられました。異民族の集まりだからこうすることで「敵ではないよ」ということを相手に伝えるんだよ、と教わりました。相手がにっこりするとこっちもにっこりすればいいので、すぐにできるようになり、そのうちこちらからもできるようになりました。

 しかし“目が合うとにっこり”の欧米方式と違って“口角を挙げる”はずっといつも万年やってないといけないわけです。車降りた直後も決して気を抜くことなく、です。人が見てないからと言ってちょっと油断すると、前述のようなことになる。そういえば注意してみると感じいいひとは、新幹線降りるときに席たってリクライニングをちょっと直すときも“口角挙げる”をやってました。

 コミュニケーションにはバーバル(言語性)と、ノンバーバル(非言語性)のものがあり、ある種の発達障害の方ではバーバルだけでなくノンバーバルも苦手だという点で知的能力障害の方と異なるとも。

 口角拳上はノンバーバル・コミュニケーションの基本。
 ノンバーバル・コミュニケーションの不得手を人に指摘する前に、自分のノンバーバル・コミュニケーション能力を高めないといけません。
ソーシャルスキルトレーニングだと言って人に指示するのは自分もその課題を克服してからだな、と思いました。

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