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自閉症、ASD等の発達障害解明の研究を行っています。

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ささいな達成感

2014年7月18日 成田正明

 日頃、自尊心を高めよ、とよく言われたりする。あるいは生意気にもこっちが人に言ったりする。
ではその自尊心を高めるためにはどうしたらいいかというと、「達成感」を得ることだ。

 私たち研究者の世界での一番の「達成感」は、投稿した科学論文が絶望的な批判にさらされた後なんとか英語で論破し、ついにアクセプト(採択ですの意)となった時だ。
「てーっ!?」
研究者はみなそう思うはずだ。しかしそんなことは年にそう何回もあるわけではない。
ま、そうそうあるわけではないからこそ、たまのアクセプトは強烈な達成感と、次へ向けての強いモチベーションをこぴっともたらすと言っていい。

 一方、日々のモチベーション、こちらは維持するのが大変だ。
むしろ日々のモチベーションをうまく維持・コントロールすることこそ大切だと思う。
授業や実習、書類作成などをきちんと行うことはもちろん大切で、うまくできれば達成感は高まる。

 もっと言うなら日々のモチベーションを維持するためには、よりマイナーな、個々にspecificな達成感をもたらす儀式のようなものをもつことが大切と思う。
こういうのは脳にもよい、とよく言われる。
たとえば出勤したら身の周りの掃除をする、書類整理をするなど、別にとりたててしなくてもいいようなことを手足を使って黙々と毎日実行することで達成感が得られ、脳が活発に働き出す。

 掃除や整理整頓を例に出したが、この日々のマイナーな達成感を得るための方法や儀式はひとによって異なるのではないか。
それをマイ儀式としていくつもっているかが大切なのではないか。

 私の場合で恐縮だが、豚汁とかベーコンの味噌汁の表面に浮かんでいる丸い油滴を箸でつついてくっつけて大きくすることが好きだ。
これが強いて言うなら私ならではの儀式であろうか。
最近はあまりやっていないが、油滴つなぎが上手くいってギネス級の最大径になった日は、いろんなこともうまくいっていた、ような気がする。
実にささいな達成感である。
再開したい。

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