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みえ女性活躍推進連携会議について一言

2014年8月7日 江藤みちる

8月5日付の朝日新聞「古い人間だから、女は下」という見出しの記事が話題になっています。
うちでとっている中日新聞では会議の内容を淡々とかかれていただけだったので、ネットで朝日新聞の記事をみて、その実際を知り、県民としてはがっかりです。
「だから三重県は遅れているんだわ〜」と、あきれてしまいました。

この記事は、8月4日に「みえ女性活躍推進連携会議」の初会合を取材したものです。
三重県内の企業・団体等における女性の登用・活躍の推進と、男女がいきいきと働く職場づくりに取り組む機運の醸成に、地域経済団体等関係者が連携して取り組むため、三重県が設置した会議です。
この会議には、三重県、地域経済団体(経営者協会、中央会、商工会、農協、漁協)、連合三重、三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」が中心となり、オブザーバーとして三重労働局と三重大学が参加します。

先日の学内男女共同参画推進委員会でも、この会議についての説明があり、委員の話題にのぼったのは次の2つ。
1、構成団体の代表者は10名、うち女性が1人しかいない!(しかもカッコ書き)女性のための会議なら、委員に女性を複数入れるべき!
2、三重大学は県内一の総合大学である、すなわちこれからの三重県の経済の中心を担う若者を多く輩出するのだし、オブザーバーでなく正式な構成団体であるべきでは?

今回、会議が開催された結果、男性の出席者から上記の見出しのような発言が噴出し、三重県の意識の低さを露呈してしまったなあ〜というわけです。

三重県は、社会への女性参画という点では、正直、遅れています。
「男は仕事、女は家庭」という考え方はまだまだ根強く残っていますし、「結婚や子育てなどで仕事を一時的に辞め、子育ての時期が過ぎたら再び職業を持つ」という割合が、実は三重県は全国1位です。
出産時にいったん退職する理由として、女性が出産・育児に専念するために自発的に辞めるのが最も多いのですが、(ですので、女性自身が「辞めずに続けよう!」という意識を持つことも、とても大切です)
その他に、特に正社員においては「就業時間が長く、勤務時間が不規則」「勤務先の両立支援制度が不十分」「解雇された、退職勧奨された」なども多く、したくなくても退職せざるを得ない女性は多いのです。

現在、少子高齢化社会を迎え、労働力の確保は喫緊の課題であり、
女性を大きな労働力として、非正規雇用だけでなく、正社員、あるいは管理職として確保し、活用することこそ、経済の活性化につながり、そのためには女性自身の視点を入れるべき、すなわち女性が参画できることが必須です。
そのことを、地域の経済団体の、特にトップの方々には、良くわかっていただきたいものです。

男性の管理職にどいてもらいたいわけではありません。
しかし一方で、どうして、女性であるだけでその機会が与えられないのか。
能力がある人には公平に機会が与えられるべきである、それだけなのです。
日本では、労働の場においては女性より男性という昔からの風潮があります。
現在では、このような男女労働者の間に生じている差を解消するため個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組「ポジティブ・アクション」がいろいろ行われています。
その一つに、日本政府は、女性の活用を「成長戦略の中核」と位置づけており、「指導的な地位を占める女性の割合を2020年までに30%に引き上げる」と数値目標を掲げています。
合言葉は、202030(ニーマルニーマルサンマル)です。

記事によると、数値目標を求めることに異論が噴出したとのことですが、フレンテみえの石垣弘美所長の言葉にもあるように、具体的な目標を掲げることが企業の意識や行動を変えることにつながるのです。
逆に、具体的な目標が無いと、人間、なかなか変えることはできないのです。

私が出席している国立大学協会・男女共同参画小委員会では、国立大学の女性教員比率を2015年までに17%以上に引き上げることを達成目標として取り組んでいます。
2015年まで残すところあと1年となり、目標達成はなかなか難しいかもしれません。
しかし毎年確実に女性教員比率は上昇しており、これは数値目標に対して各国立大学が努力した結果です。
まずは数値に向かって努力し、その結果、さまざまな問題が解決して皆がハッピーになれれば、目標は不要になります。
三重県も、この「みえ女性活躍推進連携会議」は、企業の積極的な取組が増えた段階で解散すると言っています。

三重県は住みやすいし、県民幸福度もとても高いのです。
今回、女性が活躍できる県にしていこうと、まずはスタートを切りました。
話題になったことで、少しでも発言者の方々の意識改革につながることと、これからこの会議が良い方向へと進んでいくことを期待します。

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