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自閉症、ASD等の発達障害解明の研究を行っています。

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アイリスあやめ犬ひとみ

2016年5月8日 成田正明

(写真)1996年5月、米国留学中の私の実験机に上司の米国人教授が置いてくれたあやめ(アイリス)。詳しくは本文を。

この写真、私がアメリカ留学時代(1996年)に妻奈緒子が撮ってくれたお宝写真です。
朝、私の実験机に教授がおいてくれていた1輪のあやめ。
名札の「アイリス」(=あやめ)はあとで私が付けたもの。
江藤先生の投稿を読んで、
「あの写真あるかなあ」と思い出し、教授室を探したらjpegとかじゃない写真の「現物」がなぜかありました。今回はその話です。

私たち二人は1994年よりセントルイスのワシントン大学に留学のため渡米しました。
言葉の壁、サイエンスの壁と闘いながら時が過ぎました。
1年半すぎたころ大学近くのアパートに引っ越しました。
そこは大学に近いだけでなく、「犬飼っていい」アパートだったので、うれしくてさっそくhumane society(ヒューメイン・ソサイェティ)(里親あっせん所みたいなところ)で探していたところ、
「生後3か月メス」と書かれた1匹の犬が。
わたしをもらって、と。


(写真)留学中、私たちが現地の里親あっせん所から引き取ってきた生後3か月のメス犬。
目が大きいので「ひとみ」と命名した。

「この子にしよう」と引取ることにしました。
「なんて名前にしよう?」と二人で考えましたが、写真の通りくりっとした目が大きくかわいかったので、「ひとみ」にしようということになりました。
それが1996年の5月です。写真はほぼ引き取られた直後のひとみです。

翌月曜の朝、上司のシュワルツ教授と週明け恒例の会話である“How was your weekend?”と尋ねられ、
英語で 「実は犬飼いましてん」
みたいなことを言ったところ、
“ワンダフル !”
的な返事が返ってきて

“What's the name of the dog?(犬の名前は?)”
と聞かれたので、

“ひとみ”
と答えましたが当然何のことかわかってないので、英語自慢したい私としては
瞳がでかいから『ひとみ』って名前にしたんだけど・・・。そうだ、ひとみ(瞳)は英語でアイリス(iris)だったよな」ととっさに思い出し

“Hitomi means iris in Japanese!”

と答えたところシュワルツ教授は
“あー”みたいな表情をして去っていきました。

そして翌朝、研究室に行くと私の実験机に冒頭の写真の1輪のあやめが。
「なんだこれは?」と腕組んで考え込んでるとシュワルツ教授が現れ英語で
「成田君、確かに君は英語よく勉強している。解剖学用語もだ。なるほどアイリスは英語で「目の虹彩(ひとみ)」って意味があるが、irisは普通は、あやめって花をイメージするもんだよ、アメリカでは。覚えといてね」
みたいなことを言われました。

あ〜、シュワルツ教授は私のこの偏った知識を憂い「このまま日本に返すわけにはいかん」とお考えになったのでしょうか。
ありがたい取り計らいでした。

その会話の一部始終を聞いていた妻が撮ったのが冒頭の写真です。

こういう事があったおかげでいまでも研究室の誰かがあやめを持ってくると
「あ、ひとみだ」
と言っています・・・。

(追)ひとみはその後楽しく暮らし、1998年の帰国の時も私たちと同じ飛行機の貨物室でしたがそれはそれは丁重に成田空港まで護送され、日本でも私たちとともに楽しく暮らしました。

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