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自閉症、ASD等の発達障害解明の研究を行っています。

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IQよりも愛嬌

(再掲) 成田正明

先日テレビを見ていたらゲストの誰かが「○○で育てた方が△△で育てるよりIQが高い」というような発言をしていました。
するとみんなが「えー!?IQが?」と言っていました。
すかさず司会のさんまさんが、「いやいやIQより愛嬌やで」といって笑いをとっていましたが、私はさすがさんまさんいいこと言うな、と思いました。

私は発達外来を担当させて頂いております。
その際、時に子どもさんのIQ結果を保護者の方に説明することがあります。

IQはいわゆる知能指数で、知識とか理解、算数、記号探しなどを制限時間決めて子供たちにしてもらうもので、知能指数が値として算出され、通常学級か支援学級かの選択、療育手帳交付の際の事実上の根拠になっています。
数字なのでIQ値は独り歩きしてしまいます。
自分、あるいは自分の子どもの知能が数字で表されてしまうのなんて恐ろしいですね。
なんかいかにもその人の全人格を数字で表しているみたいで・・・。

でもIQ値では思いやり、人の心の痛みがわかること、傷つきやすさ、気が利くこと、などは測れません。
なので私も外来で、「こういう数字が出て療育手帳がこれになりましたが、こういう数字では思いやりのある○○くんのこころとかはまったくわかりませんしね」とお話ししています。
言葉こそ違いますがさんまさんが言ってた「IQより愛嬌!」というのは同じことではないかと!

アメリカ精神医学会による心の病気の診断基準DSMが最近改訂され、それまで知的障害の程度はIQの値で分類されていたのが、新基準では社会での生活の困難さの程度で重症度が分類されるようになったのもうなずけます。

だから
IQよりも愛嬌

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