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自閉症、ASD等の発達障害解明の研究を行っています。

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大学のキャリア教育

2016年6月29日 江藤みちる

最近、大学のみならず小中高でも言われている、キャリア教育。
将来、社会的に自立して働けるよう、そのための基盤能力や態度を育てることを言います。
なかでも大学は社会人を送り出すところですから、その教育はとても重要です。

三重大学のキャリア教育としては、教養教育に企業研究やインターンシップ、学生支援や学習支援、広報誌編集など医学部としては研究室に配属して研究を行う「研究室研修」や、参加型臨床実習「クリニカル・クラークシップ」がそれにあたるのかもしれません。。

でも、キャリア教育は、多分もっともっと幅広いものではないかと思うのです。

例えば、解剖学。 「学生時代の基礎医学の中で、もっとも役立った科目は何ですか?」と現役医師にアンケートしたところ、一番は解剖学、48%でした。次に生理学16%、病理学10%。
これは、医師として働くためには解剖学は欠かせない、ある意味キャリア教育だと思います。

別の例では、先日私が教養教育「男女共同参画基礎」で講義した、ワークライフバランス。
これぞ、充実した社会生活を送りながら働くにはどうすればよいのかという、キャリア教育そのものです。

今の日本社会は、働く場としてはまだまだ男中心。
育児や介護で、女性が働くこと、中でも働き「続ける」ことがまだまだ困難ですし、男性も10人に1人が「パタハラ」を受けている事実があることなど、講義で紹介しました。
(※パタハラ=パタニティ・ハラスメント。育児参加をしたい男性に対する嫌がらせ。)

自分は将来どんな風に働きたいか、どんな困難が予想されるか、それを乗り越えるには何が必要か、今の自分には何かできるのか。
それを学生に考えてもらいました。受講生は1年生を中心に約150人でした。

今のうちから、真剣に、自分なりの考えを持つこと、そして実行すること。
これこそが生きる力となり、キャリア教育であると信じています。

学生たちはとても柔軟に、かつ自分なりの意見を私に教えてくれました。
彼らが社会に出るころには、今よりも、個人が希望するワークライフバランスが叶い、女性がもっと活躍できる社会になっていますように、と、願いを込めて。

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