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自閉症、ASD等の発達障害解明の研究を行っています。

リニューアル!平成・令和 リレーブログ

女子校の存在意義

2021年11月4日 江藤みちる

先日、日本学術会議の公開シンポジウムがWeb開催されました。
「生命科学分野におけるジェンダー・ダイバーシティ−大学における女性リーダーから見た課題と展望−」
と題し、大学における女性リーダー(女性の学長)が6名ご登壇されました。
Webサイトはこちらから 日本学術会議公開シンポジウム

日本では「指導的地位に占める女性の割合」が諸外国に比べて低く、
内閣府男女共同参画局では2020年までに30%にすべく、202030(にーまるにーまるさんまる)と
キャッチフレーズを掲げましたが目標達成には至りませんでした。
ここでいう「指導的地位」とは、
政治だと国会議員や県議会議員、民間企業だと課長・部長などの管理職、
教育だと小中学校の校長・教頭、大学教授、などを指します。
職位が上がるにつれて女性の割合は低くなる傾向にあり、
2020年の国立大学の教員女性比率について、教授は10.8%、学長はわずか3.5%(86大学で3人)。
今回のシンポジウムでは、国立大学・私立大学・公立大学、総合大学・単科大学・大学院大学などで
それぞれ学長をつとめられている先生方がご自身の経験を交えてこれまでの取組をお話いただきました。

ご講演、シンポジウム、パネルディスカッションを通じて心に残ったことはいろいろあるのですが、
その中で、女性教員に重要なポジションについてもらいたくて声をかけても断られるケースが多いとのこと、
これは「女性は自分がイニシアチブをとった成功体験が少ないからではないか」との指摘がありました。

そこで、タイトルの「女子校の存在意義」なのです。

私は高校、大学と女子校で過ごしました。
高校入学時にはまだ将来のことは決まっていなくて、
高校1年生で化学が好きになり、理系への進学を決めました。
大学では、卒業研究が楽しかったので、
1年で終わらせたくないと修士課程への進学を決め、
博士課程への進学は指導教員の勧めもありましたが、
研究室に博士課程の先輩が数名いたことも大きかったです。
そしてもちろん先輩も同級生も後輩もみんな女性であったこと。

この環境では、共学でありがちな、なんとなく肉体労働は男子にやらせよう(←アンコンシャス・バイアス)、
みたいなことは起こりえないので、どんなことでも女性でやるのがあたりまえ。
この環境では、「自分がイニシアチブをとる経験」は、おそらく共学よりは多いはず。
もちろん、共学でもイニシアチブをとれる女性はいますが、比較の話です。

近年、女子校の共学化がみられますが、女子校にも存在意義はある。
良妻賢母ではなく、社会でリーダーシップをとれる女性が育成できるはず。
この先も女子校は生き残ってほしいなぁ、と女子校育ちの私は思うのでした。

おまけ:その他、シンポジウムで心に残ったこと
・頼まれた仕事は極力断らない
・トップを陥落させるのが近道→納得してもらえれば絶対変わる
・サーバントリーダーに女性は向いている
・女性だから、子育てしてるから、といって、甘えない・甘やかさない
・女性自身の意識改革

アンコンシャス・バイアスの話も、またいずれ。

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