成田先生のブログ「ノジギク」を読んで。
Wikipediaによると、ノジギク(野路菊、学名 Chrysanthemum japonense)とありました。
学名にjaponenseとあるとおり、日本在来種で野山に自生するとのこと。
もう一つの語、Chrysanthemum。こちらはキク属の名で、
chrysos=gold(金)とanthemon=flower(花)とがついたラテン語に由来します。
クリサンセマム。初めてこの単語を知ったのは、小説「チグリスとユーフラテス」でした。
学生時代、新井素子さんのSF小説が好きで、良く読みました。
「チグリスとユーフラテス」は1999年に刊行され、同年日本SF大賞の受賞作品となりました。
内容紹介はこちら↓
遠い未来。地球からの移民政策が失敗した惑星ナインに、たった一人取り残された
「最後の子供」ルナが問いかける、生の意味。絶望の向こうに、真実の希望を見出すSF超大作。
(集英社文庫 チグリスとユーフラテス より)
遠い未来。惑星ナインへ移住した人類は、人工子宮を活用し、世界に繁栄をもたらした。
だが、やがてなんらかの要因で生殖能力を欠く者が増加し、ついに"最後の子供"ルナが誕生してしまう。
滅びゆく惑星にひとり取り残されたルナは、コールド・スリープについていた人々を順に起こし始める。
時を越え目覚めた者たちによって語られる、惑星ナインの逆さ年代記。第二十回日本SF大賞受賞作
(版元ドットコム チグリスとユーフラテス より)
このお話の終盤、ルナが、猫を飼うようになります。その猫の名前が、クリサンセマム。
猫に、菊という名前は、ふつう付けないよ。と思いますが。
ルナ。最後の1人、なんです。いままで、たくさんの人を見送ってきたのです。
菊は身近な花ですが、日本人にとっては故人と接するときのお花、といってもいいのでは。
もう、切なすぎる・・・。
このときから、クリサンセマムという単語。忘れられなくなりました。
ちなみに、花屋で売っているキクは、家菊と言い、中国から8世紀後半に伝わりました。
学名は、Chrysanthemum morifolium。
morus(桑)+folia(〜の葉)=クワのような葉の。
確かに、葉っぱの切れ込みの雰囲気は、桑と菊って似ているかも。
桑の葉といえば養蚕ですが、なんと、弥生時代から養蚕は行われていたとか。
日本人にとっては身近な植物であった桑ですが、いまや養蚕業は衰退し、
Y字に似た桑畑の地図記号も2013年に廃止されたそうです。
移り変わっていく日本の文化。遠い未来、惑星ナインは存在するのでしょうか・・・。
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