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自閉症、ASD等の発達障害解明の研究を行っています。

リニューアル!平成・令和 リレーブログ

厨房のありす

2024年3月29日 江藤みちる

日テレ系で放映されたドラマ「厨房のありす」が先日最終回を迎えました。
普段TVドラマはほとんど見ないのですが、
「化学式がたくさん出てくる料理の話だよ」と知人から聞き、
みてみたら、主人公が自閉症。
化学×料理×自閉症。これは自分のためのドラマだ!と
毎週かかさず楽しみに見ていました。

ドラマ 「厨房のありす」 公式サイト

主人公のありすは自閉症で、
こだわりが強い、大きな音が苦手、他人の気持ちが分からない、など
自閉症で良くみられる特徴を持ち、その様子はドラマでも描かれていました。
育ての親が化学の研究者で、化学が大好きな子に育ち、料理も上手。
だけど他人と一緒に働くレストランの厨房ではコミュニケーション障害のために働けず。
なので、自分ひとりが厨房に立ち、メニューはお任せのみの1人シェフとして働いています。

化学物質名や構造・機能をよどみなく言い(グルコースC6H12O6は〇〇の性質があって、みたいな)
初めての人は間違いなく驚きますね。
ストレス解消には〇〇が効くから、とその食材を使った料理を作ります。
ありすが作るお料理は、どれも美味しそう!
今日はどんな化合物が、料理が、登場するのか、毎回楽しみでした。

このドラマが素敵なのは、ありすの周囲の人たちが温かく、
どんなことがあっても、ありすを受け入れ、接していること。
もちろん努力して培ってきた関係の上に成り立っているのです。

自閉症であろうがなかろうが、人と人とのコミュニケーションには、
お互いに理解し、受け入れ、接することはおんなじです。
先入観とか決めつけではなくて、その人をありのまま受け入れる。
これは基本ですよね。

「やさしい世界」。世界中の、すべての人の周りが、こうであってほしい。

毎年4月2日は「世界自閉症啓発デー」です。もうすぐですね。
自閉症を知ることを通して、みんなが優しくなれたらいいな。
最後に、厨房のありす 公式サイト「制作によせて」からの文章を抜粋して紹介します。

===
多様性と相互理解の大切さが謳われる現代社会。
それでも今、私たちの心の中に、まだバイアスはあるんじゃないだろうか?
そんな疑問から、この作品は始まりました。
(中略)
ありすが見ている世界、彼女をとりまく人々が感じている世界を
この作品を通して、ほんの少しでも知って、感じて頂けたら。
みんなが、みんなに“やさしい世界”が実現する一助となれたら。
(厨房のありす 公式サイト「制作によせて」より抜粋)
===

TVでの放送は終わってしまったけれど、huluで見れるそうです。

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