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診療
血栓症外来(火曜日:内科17診、金曜日:内科16診)
和田が第一内科、第二内科、神経内科、中央検査部等の協力を得て担当しています。
対象症例は、(比較的)若年者血栓症ならびに反復性の血栓症(脳血栓症、肺塞栓/深部静脈血栓/血栓性血小板減少症(TTP)/溶血性尿毒症症候群(HUS)、その他の血栓症など)で、血栓症の止血学的診断、血栓性素因(注釈1)の検索、遺伝子診断(不可能なものは他施設を紹介)、治療をおこなっています。特に抗リン脂質抗体症候群(注釈2)の鑑別には、高感度蛇毒凝固時間(DRVtest/ DRVconfirm)、抗β2GPI抗体、抗プロトロンビン抗体、抗リン脂質抗体、抗アネキシン抗体の5つを測定します。
 
出血性素因外来(火曜日:内科17診、金曜日:内科16診)
和田が第二内科、中央検査部の協力を得て担当しています。
対象症例は、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)(注釈3)や血友病などの遺伝性出血性疾患(注釈4)などです。業務としては、出血性素因の診断ならびに治療を行います。各種凝固因子活性ならびに抗原量の測定、特別なものについては遺伝子診断(FXIIなど)を行っています(多くの遺伝子診断は専門機関を紹介いたします)。ITPに関しては、血小板膜糖蛋白に対する抗体の同定を行っています。
 
動脈硬化性疾患(生活習慣病)(火曜日:内科17診、金曜日:内科16診)
和田が第二内科、中央検査部の協力を得て担当しています。
  • API、頚動脈エコー(予定)などの画像診断による動脈硬化の評価
  • 変性LDLなどの脂質異常の測定
  • 止血系検査による血栓傾向の予知
上記検査により、早期診断・治療に勤めています。
注釈

*1血栓性素因には先天性のものと後天性のものがあります。先天性血栓性素因には、アンチトロンビン、プロテインC、プロテインS、プラスミノゲン、ヘパリンコファクターII異常症があり、遺伝子診断まで行うのがベターと考えます。後天性血栓性素因には抗リン脂質抗体症候群*2、脂質異常、未知の因子などがあります。
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*2抗リン脂質抗体症候群(APS)
リン脂質(主に抗β2GPI)に抗体ができることにより、血栓症や習慣流産を来たす病態で、APTTの延長や血小板減少を伴うことが多い。APTTなどの凝固時間が延長するものをループスアンチコアグラント(LA)陽性という。LA陽性例では、長期的には脳血栓症などのリスクが高く、動脈硬化の進展も早いため、抗血栓療法の適応が考えられています。
特にLAは高感度蛇毒凝固時間(DRVtest/ DRVconfirm)、抗β2GPI抗体、抗プロトロンビン抗体、抗リン脂質抗体、抗アネキシン抗体の5つを測定します。
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*3特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
自己免疫学的機序で血小板減少をきたす病態で、骨髄での巨核球の産生は正常化か増加しています。再生不良性貧血、骨髄異型性症候群(MDS)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)との鑑別が重要になります。(難病申請ができます。)
鑑別診断 骨髄 TPO 網状血小板 血小板抗体 PAIgG
ITP 巨核球↑ 正常 増加 増加 増加
再生不良性貧血 低形成 増加 正常
MDS 過形成 増加 正常
TTP 正常 増加 増加
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*4遺伝性出血性疾患
血友病A、血友病B、von Willebrand病の順に頻度が多く、頻度は少ないですがFI異常症、FV異常症、FVII異常症、FX異常症、FXII異常症、FXIII異常症などの患者さんも見え、約100名以上の方が受診されています。
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